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中日新聞掲載の大学記事

2011.11.07

愛知大学野球 中京大 藤本力投でタイに 最上級生 意地の完投

 中京大(2部1位)が名城大(1部6位)に3−2で雪辱し、対戦成績を1勝1敗のタイとした。中京大は先発の藤本洪志朗投手(4年・杜若)が2失点完投と最上級生の意地を見せた。

■制球を意識

 負ければ1部再昇格を逃す瀬戸際で、春の2部リーグMVP右腕が仕事をきっちりやり遂げた。先発の藤本が名城大打線を5安打2失点に封じて雪辱。「調子は良くなかったけど、結果が全て。勝てたことが良かった」と言葉に力を込めた。

 最後のシーズンでモデルチェンジに成功した。春までは最速145キロの速球で押す剛腕。だが、今春の入れ替え戦で力勝負を挑んで、中部大打線に痛打された。「力任せで打たれた。制球を意識するようになった」と藤本。スライダーとフォークしかなかった変化球も、ツーシームと速いスライダーを夏にマスター。投球の幅を広げ、この日は3四球と制球も安定して、飛球によるアウトが11。巧みな投球でリードを守った。

 名城大は春夏2度のオープン戦で敗戦投手となるなど苦手な相手だった。しかも、夏の試合では杜若高でバッテリーを組んでいた名城大の4番・芳川の打球が左膝を直撃。戦列離脱を余儀なくされた因縁もあった。

 「芳川のことは意識した。仲はいいけど、きょうは私情は抜きだった」と藤本。負傷の影響もあって今秋は調子が上がらずに苦しんだが、大事な試合で芳川を無安打に抑えた。4年生投手が好投し、打線は1年生の5番・北野が3回に2点適時打を放つなど攻守にリズムが生まれた。半田卓也監督(28)は「4年生が踏ん張って、下級生が思いきってプレーする。これを目指してきた」とうなずいた。藤本の力投を勝負の3回戦につなげて、チーム一体で1部の座を奪い返すつもりだ。 (麻生和男)

■狙い球を絞れず

 名城大は終盤に追い上げたが、藤本の投球にかわされた。松永監督は「藤本君がいい意味で荒れていて、狙い球を絞りきれなかった」とさばさばした表情。また、杜若高時代の仲間との対戦となった芳川は「意識はなかったけど、リベンジされましたね」とオープン戦では藤本を打ち崩していただけに悔しそうだった。

▽2回戦(1勝1敗)
名城大(1部6位) 000010010―2
中京大(2部1位) 00300000x―3
(名)河野、水谷亮−芳川
(中)藤本−金田

(2011年11月7日 中日スポーツ11面より)
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