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中日新聞掲載の大学記事

2011.11.06

愛知大学野球 名城大先勝 主将の意地 芳川8回決勝打

 名城大(1部6位)が中京大(2部1位)に1−0で先勝した。名城大は8回に主将の芳川浩嗣捕手(4年・杜若)が決勝打を放ち、投げては先発・森田将行投手(1年・常葉学園菊川)と、リリーフの河野清太郎投手(1年・愛知啓成)の1年生コンビが完封リレーした。

■1年投手を好リード 完封リレー 後輩を2部には落とせない

 決勝打を放っても、試合に勝ってもニコリともしない。名城大・芳川の入れ替え戦に懸ける気迫を物語っていた。「まだ明日がある。それしかないです」。殊勲のコメントにも浮かれたところは少しもなかったが、主将の、最上級生の意地がもたらした1勝だ。

 8回だった。1死二塁で3番・牧内の飛球を中京大の右翼手が落球。相手のミスで広がった一、三塁の好機を、4番の芳川は見逃さなかった。「エラーがあったので、行けーという気持ちだった」。好投していた中京大の先発・平沼から適時右前打。厳しい表情のまま、一塁ベース上で一度だけ右腕を上げた。

 守備でも先発・森田とリリーフの河野を好リードした。「森田がよく頑張ってくれた」と1年生左腕を持ち上げたが、森田の持ち味であるテンポを引き出したのは芳川だった。秋季リーグ戦ではチームを勝利に導くような活躍ができず、責任を感じていた。「(1部の座を)後輩につなげないといけない。2部には落とせない」と意地の勝利を強調した。

 リーグ最終戦から約2週間後の入れ替え戦。この間、オープン戦を2試合組んだが、結果は2連敗。しかも、内容も良くなかった。「どうしようかと思ったけど、逆に引き締まったのでは」と松永健二監督(33)。気持ちが沈んでもおかしくない状況だったが、芽生えた緊張感がプラスに作用した。

 「入れ替え戦を1試合で考えたら、まだ3回が終わったくらい」と芳川。最後まで気を抜くことなく、1部を死守するつもりだ。 (麻生和男)

■平沼好投も… 打線援護なし

 中京大は、中日の1軍用具兼打撃投手の平沼定晴さんを父に持つ2年生右腕・平沼貴晴が先発。8回途中まで7安打1失点と好投したが報われなかった。今秋はリリーフ役で、先発登板は今季初だったが、「緊張したけど、試合前から状態が良かった。悔しいけど、自信になった面もある」と平沼。半田監督は「調子が良かったので起用した。平沼はよく投げた」と話したが、援護できなかった打線には渋い表情を見せた。

▽1回戦(名城大1勝)
中京大(2部1位) 000000000―0
名城大(1部6位) 00000001x―1
(中)平沼、永井−金田
(名)森田、河野−芳川

(2011年11月6日 中日スポーツ10面より)
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