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中日新聞掲載の大学記事

2011.10.23

打倒!佛教大 立命大に燃える 名城大6年ぶり優勝に照準 全日本大学女子駅伝きょう号砲

 23日に仙台市内の特設コースで行われる「第29回全日本大学女子駅伝対校選手権」(6区間38.6キロ)で名城大(名古屋市)が6年ぶりの優勝を目指している。過去4大会はいずれも3位。佛教大と立命大に後れを取ってきた。“万年3位”脱却へ、カギを握るのが4年連続で最長の3区(9.1キロ)を走る野村沙世(4年)。今夏のユニバーシアード(深セン)ハーフマラソンで銅メダルを獲得した実力者が2強に待ったをかける。

■万年3位脱却へ最後のチャンス 1年からエース区間 4年・野村がカギ握る

 表彰台の一角で小さくなるのはもう後免だ。覇権奪回へ意気上がる名城大。中でも特別な思いを抱いているのが1年生からエース区間を走り続けている野村だ。「常に優勝を目指してきたのにずっと3位。今回はどうしても勝ちたい」。負の記憶を一掃する最後のチャンスに懸けている。

 女子学生界で屈指のランナーだが、今大会に限れば結果を出せていない。1年時は右足痛で失速し、左足アキレスけんを痛めていた2年時も区間5位にとどまった。昨年も区間5位。「満足できる走りができたことはない」と言う。

 3年分の悔しさを晴らすため、今季は「走り方を大きく変えた」とモデルチェンジ。「以前はひざから下を使った小さい走りでしたが、ももを使った大きい走り方ができるようになった。疲れにくいし、パワーが出る。」と効果を実感している。体重管理にも今まで以上に気を使い、「大好きなピーチョコ(ピーナツチョコレート)はやめました」と笑った。

 駅伝へのコンディション作りを優先するために9月のインカレは回避。「どこも痛いところがない」と調子は万全だ。3区では世界陸上1万メートル代表の吉本ひかり(佛教大)、ユニバーシアード1万メートル銀メダルの田中華絵(立命大)とライバルも強いが、「私は私の走りをするだけ」と気負いなくレースを迎える。

 米田勝朗監督(43)は「野村は今までで一番いい状態。勝負を挑める位置でたすきを受けられれば」と期待をかける。卒業後は実業団の強豪・第一生命へ進むエースが、チームの浮沈を背負って杜(もり)の都を疾走する。

 (木村尚公)

■「1区は若い力で」

 22日は仙台市内で開会式と会見が行われた。名城大の米田監督は「ここ数年は1区で出遅れた。若い力で勢いに乗りたい」と前半重視のオーダーを組んだと説明。1、2区には成長著しい1年生コンビの米津と高木、3区にエース野村を配し、佛教大と立命大に食らいつく狙いだ。「3区を終えて先頭から30秒以内につけていれば、逆転のチャンスも出てくる」と米田監督。後半の4、5、6区には昨年の大会に出場した浦川、池田、八木が控えている。総合力では2強にも劣らない強力な布陣だ。

 ▼野村沙世(のむら・さよ) 1989(平成元)年4月18日、岐阜県下呂市生まれの22歳。157センチ、46キロ。萩原南中1年で陸上を始め、益田清風高では3年時に国体少年女子3000メートルで6位。全国高校駅伝では“華の1区”を2度走った。名城大では1年でインカレ1万メートル6位。09年と11年のユニバーシアードのハーフマラソンでいずれも3位に入った。5000メートルの自己ベストは15分46秒19。

(2011年10月23日 中日スポーツ9面より)
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