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中日新聞掲載の大学記事

2011.09.24

名市大生 映画に挑む

■映像研究室ゼミ 出演交渉、音声、照明…裏方で奮闘

 名古屋市立大の学生たちが、プロの俳優やカメラマンに交じって長編映画を製作している。芸術工学部映像研究室のゼミの一環で、撮影は佳境を迎えた。10月中の完成、冬までの公開を目指す。 (日下部弘太)

 映画作りは栗原康行准教授(映像制作)が数年前から取り組む。プロの厳しさと、1つの作品を作り上げることの大変さを実感してもらう狙い。今年は「Angel 車椅子の夏」と題し、アキレスけんを断裂して突然、車椅子生活になるキャリアウーマンを描く。研究室の学生ら7、8人が中心メンバーだ。

■絵コンテ80枚

 俳優との出演交渉に始まり、撮影では音声や照明のほか、出演者のスケジュール管理、日焼けを防ぐため影をつくったことも。編集も学生が手掛ける。4年浜地雄喜さん(24)は昨年から携わり、今回は絵コンテを80枚描いた。絵は得意で「頼りにしてもらい、うれしい」。一方で「先生には『いちいち得意がってちゃ駄目だ』『本当の現場なら怒鳴られるぞ』と注意もされます」と話す。

 撮影は9月上旬に始まり、25日で終わる。23日は午前中に千種区内の商業施設、午後は西区内の病院へ。主人公が入院する場面や、リハビリに励むシーンを撮影した。

 1年の村上亜希子さん(19)はメーク担当者への時間連絡や小道具の準備に走り回り「初めは何をしたらいいか分からなかった。もともと映像に興味があったので、撮影の裏側が見られて良かった」と笑った。

■出演者に力

 学生たちの奮闘ぶりに、出演者の1人でAKB48の田名部生来(みく)さん(18)は「同世代の皆さんが頑張っていて力をもらえる。私もしっかり演技したい」。浜地さんは「誰でもけがをして主人公の立場に陥る可能性がある。観客が自分に重ねて見てもらえる映画になれば」と話していた。

(2011年9月24日 中日新聞朝刊市民版より)
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