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中日新聞掲載の大学記事

2011.09.14

南吉の世界ジオラマに 名芸大の学生ら制作 半田で展示

■「手袋を買いに」など10作品の場面再現

 半田市出身の童話作家、新美南吉の作品の一場面を表現したジオラマ(情景模型)が、同市岩滑中町の「やなべふれあいセンター」で展示されている。17日からの「童話の村秋まつり」をはじめとする秋の観光シーズンに合わせて市観光協会が「南吉の世界を身近なものに」と企画。制作は名古屋芸術大(北名古屋市)の学生たちで、みずみずしい感性にあふれた出来栄えだ。(小端あゆ美)

 市内が舞台の南吉童話を中心にした10作品が題材。「手袋を買いに」や「おじいさんのランプ」などの1コマを若い感性で、立体化。「手袋を買いに」は、雪の上を歩いてきた子ギツネが帽子屋のドアに手を差し込む場面、「おじいさんのランプ」は、ランプを木にぶら下げて石で割ろうとする様子を細かく描写している。

 昨年10月に常滑市で開かれたアートイベント「常滑フィールド・トリップ」で、職員が同大の展示に目を留めたのをきっかけに、市観光協会が協力を依頼。デザイン学部の平田哲生教授(62)の呼び掛けで、学部や専攻の枠を超え、学生有志7人が参加した。

 学生たちは学期末から夏休みにかけ、学校や家で1カ月半ほどかけてジオラマを制作した。それぞれの専門が反映され、針金や鋳物を使った作品もある。

 「専攻のジャンルが違う学生と素材や作り方を話し合い、刺激になった」と振り返るのは、家具・建築設計のスペースデザイン専攻3年生、福田真子さん(23)。「手袋を買いに」など2つの作品を手掛け、「童話をこんなふうに表現できるんだと新しい感覚で見てもらいたい」と話す。

 センターの開館時間は月−土曜の午前9時〜午後4時半で、10月31日まで。無料。

(2011年9月14日 中日新聞朝刊知多版より)
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