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中日新聞掲載の大学記事

2011.09.07

オフサイド 画面にくっきり 愛知工科大 小沢教授が基礎技術確立

■複数カメラの情報集約 守備隊形分かりやすく

 サッカーの試合の流れを左右するルール「オフサイド」。判定の基になる瞬間的な守備隊形を画面上に分かりやすく表示する基礎技術を愛知工科大(蒲郡市)の小沢慎治教授(68)が確立した。野球や体操の放送でも応用され、2010年度のNHK放送文化賞を受賞。今後、視聴者のスポーツ観戦をアシストする機会が増えそうだ。 (細井卓也)

 小沢教授は「動く対象物」を映像で自動識別するなどの画像情報処理が専門。14年前からスポーツへの応用を研究してきた。

 サッカーの分野では、複数のカメラで撮った画像情報を集約し、ピッチ真上から見たような画像を作り出す情報処理プログラムを作成。ボールの飛ぶ方向を予測して放映画像を自動で切り替えることや、試合の流れに合わせて選手の位置や守備の最終ラインを画面に表示することが可能になった。01年に電気学会、06年に映像情報メディア学会で学術論文を発表した。

 小沢教授の研究がベースとなり、放送業界でも映像表現技術の開発が活発化した。NHKはJリーグ放送のオフサイドライン表示を独自開発したり、プロ野球放送の投球軌跡や体操競技の複数カメラによる映像表現を実用化したりしている。

 小沢教授が現在取り組んでいるのは、体操の採点を中継画像で行うプログラムの開発だ。「放送現場には人の経験に頼る部分がある。私の研究が人間の能力に一歩でも近づいたと評価されるのであればうれしい」と話している。

■サッカーのオフサイド

パスを出す選手がボールを蹴った時、受ける選手は相手の守備陣(ゴールキーパーを除く)より、ゴールから離れた位置にいなければならないルール。

(2011年9月7日 中日新聞朝刊県内版より)
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