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中日新聞掲載の大学記事

2011.06.01

有松絞 かわいい感性 伊藤さん(瑞穂)ら新ブランド

■水玉や花…ポップな色 有松駅前にショップ開設

 350年の伝統を誇る緑区の有松・鳴海絞を斬新にアレンジするブランドを、名古屋芸術大を今春卒業した村口実梨(まり)さん(22)=豊橋市西幸町=と伊藤木綿(ゆう)さん(22)=瑞穂区妙音通=が立ち上げた。「まり木綿(mari・momen)」と名乗り、名鉄有松駅前にギャラリーショップを開設。「かわいい絞りで有松を発信したい」と意気込む。 (相坂穣)

 大学でテキスタイル(織物)のデザインを専攻していた2人が、絞りに出合ったのは3年生の時。「地場産業との連携」という授業で、有松絞の「久野染工場」を訪れ、布を糸でくくり、染料に浸す作業を体験した。

 「グラフィックや産業デザイナーを目指していて、特に伝統工芸に興味があったわけじゃない」という2人。だが手作業で、水玉や花、星のような模様を自在に出現させる素朴な技法にはまった。

 大学の卒業制作で有松・鳴海絞にちなんだ作品を手掛けるほど熱を入れた2人に、久野染工場の久野剛資社長(55)が、空き店舗の提供を申し出た。「職人の高齢化や、若い消費者へのアピール不足という地元の課題への起爆剤として、若い感性に期待した」という。

 50平方メートルの店内にピンクや緑、水色など明るい色で手染めした手ぬぐいや手描きの地下足袋を並べた。「昔ながらの藍や紺も良いけれど、私たちの世代はポップな色を求めている。浴衣とかスカーフとかいろんな作品に挑戦したい」と村口さん。伊藤さんは「自分たちの作ったものが『かわいいね』と言われて、多くの人がこの街に訪れるようになれば」と願いを語った。(問)久野染工場=電052(621)1041

(2011年6月1日 中日新聞朝刊市民総合版より)
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