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2011.03.27
愛知大学野球春季リーグ戦2日開幕 愛工大初戦は愛院大
■豪腕・野元で神宮に行く!!昨秋2部降格ピンチしのいだ“救世主”
愛知大学野球連盟は26日、春季リーグ戦(中日スポーツ後援)の日程を発表した。4月2日に瑞穂球場で開幕し、5月下旬まで開催される。昨年、春秋連続優勝した愛院大と開幕週で対戦する愛工大は野元翔太郎投手(4年)=彦根工=が投手陣の柱。昨秋最下位で回った入れ替え戦で、1部残留に大きく貢献した快速右腕が今春はチームを上位に導く。
■佐藤とともに軸に
昨秋の入れ替え戦で、一時はあと1死で2部降格決定にまで追い込まれた愛工大。巻き返しを期す今春は左腕・佐藤とともに野元が投手陣の中心となる。
「調子は悪くない。最終学年なので悔いのないように頑張りたい」
■球威、制球に安定感
1年時から先発を経験した右腕。最速146キロの速球を武器に先発、中継ぎとして登板してきた。だが、制球難から自滅することも多く、「投げさせてみないと分からない投手だった」と奥田好弘監督(46)。それが、昨秋は一変。以前は「とにかく速く、強い球を投げたかった」というが、投球時のバランスを意識し始めたことで、球威は落ちることなく、安定感が一気に増した。
昨秋のリーグ終盤からリリーフエースとなると、中京大との入れ替え戦では中継ぎで3連投。「直球と分かっていても、打球がなかなか前に飛ばない」(奥田監督)という球威で真っ向勝負した。奥田監督が「残留できたのは野元の力が大きかった」と認めるほど大きな役割を果たした。
■直球143キロ調整順調
「もう、あんな厳しい経験はしたくない。春は優勝して、神宮(全日本大学野球選手権)に行きたい」と野元。3月の沖縄合宿では地元の社会人チーム相手に4イニング7失点と打ち込まれたが、直球は143キロをマーク。調整は順調に進んでいる。
最終学年の今年は投手陣のリーダーとして副主将に就任。自覚はこれまで以上に高まっている。今春は先発起用のプランもあるが、「任されたところで行く」と起用法にこだわりはないよう。フル回転でチームに貢献するつもりだ。 (麻生和男)
▼野元翔太郎(のもと・しょうたろう) 1989(平成元)年10月14日生まれの21歳。滋賀県出身。175センチ、78キロ、右投げ右打ち。小学3年で豊里スポーツ少年団で野球を始め、豊日中でも軟式野球部に所属。彦根工では1年秋からベンチ入りし、2年秋からエース。滋賀県大会3回戦が最高成績だった。愛工大では1年時から先発を経験している。
▼2部以下の入れ替え戦は従来通り 愛知大学野球連盟は、2部以下の入れ替え戦について、今年は今までと同じく2チームを対象にすることを決めた。1部と2部の入れ替え戦については、今年から1チームにすることを決めている。また東日本大震災に関連し、義援金約30万円を中日新聞社会事業団を通じて寄付し、さらに春季リーグの全試合を「支援試合」として義援金を募ることなどを決めた。
■愛院大「投の3本柱」そろう 挑む打の名城大 伏兵の愛工大 春季リーグを展望
昨年、春秋連覇を達成した愛院大を中心とした優勝争いになる。
愛院大は昨年の大黒柱・浦野が健在。さらに故障していた中根、武石が復活し、伊藤総監督も「今季は3本の柱で臨む。防御率0点台が目標」と威勢が良い。俊足選手がそろう攻撃陣は、機動力で得点力アップを目指す。
名城大は角屋が先発に回り、下平とともに投手力が安定。昨季チーム打率トップだった打者陣も多く残り、愛院大を脅かす。伏兵は昨季最下位の愛工大。打力アップに取り組み、開幕カードで王者・愛院大撃破を狙う。昨季惜しくも優勝を逃した名商大も昨年のレギュラーが多数残った。新エース上野が奮起すれば悲願の優勝に手が届く。
中部大は、昨年の大黒柱・石川の穴を尾越、木村の両左腕が埋める。愛大は永田、明神の4年生右腕が軸になる。出遅れ気味の伊佐地が加われば、投手力に厚みが増す。 (田中一正)
(2011年3月27日 中日スポーツ10面より)
愛知大学野球連盟は26日、春季リーグ戦(中日スポーツ後援)の日程を発表した。4月2日に瑞穂球場で開幕し、5月下旬まで開催される。昨年、春秋連続優勝した愛院大と開幕週で対戦する愛工大は野元翔太郎投手(4年)=彦根工=が投手陣の柱。昨秋最下位で回った入れ替え戦で、1部残留に大きく貢献した快速右腕が今春はチームを上位に導く。
■佐藤とともに軸に
昨秋の入れ替え戦で、一時はあと1死で2部降格決定にまで追い込まれた愛工大。巻き返しを期す今春は左腕・佐藤とともに野元が投手陣の中心となる。
「調子は悪くない。最終学年なので悔いのないように頑張りたい」
■球威、制球に安定感
1年時から先発を経験した右腕。最速146キロの速球を武器に先発、中継ぎとして登板してきた。だが、制球難から自滅することも多く、「投げさせてみないと分からない投手だった」と奥田好弘監督(46)。それが、昨秋は一変。以前は「とにかく速く、強い球を投げたかった」というが、投球時のバランスを意識し始めたことで、球威は落ちることなく、安定感が一気に増した。
昨秋のリーグ終盤からリリーフエースとなると、中京大との入れ替え戦では中継ぎで3連投。「直球と分かっていても、打球がなかなか前に飛ばない」(奥田監督)という球威で真っ向勝負した。奥田監督が「残留できたのは野元の力が大きかった」と認めるほど大きな役割を果たした。
■直球143キロ調整順調
「もう、あんな厳しい経験はしたくない。春は優勝して、神宮(全日本大学野球選手権)に行きたい」と野元。3月の沖縄合宿では地元の社会人チーム相手に4イニング7失点と打ち込まれたが、直球は143キロをマーク。調整は順調に進んでいる。
最終学年の今年は投手陣のリーダーとして副主将に就任。自覚はこれまで以上に高まっている。今春は先発起用のプランもあるが、「任されたところで行く」と起用法にこだわりはないよう。フル回転でチームに貢献するつもりだ。 (麻生和男)
▼野元翔太郎(のもと・しょうたろう) 1989(平成元)年10月14日生まれの21歳。滋賀県出身。175センチ、78キロ、右投げ右打ち。小学3年で豊里スポーツ少年団で野球を始め、豊日中でも軟式野球部に所属。彦根工では1年秋からベンチ入りし、2年秋からエース。滋賀県大会3回戦が最高成績だった。愛工大では1年時から先発を経験している。
▼2部以下の入れ替え戦は従来通り 愛知大学野球連盟は、2部以下の入れ替え戦について、今年は今までと同じく2チームを対象にすることを決めた。1部と2部の入れ替え戦については、今年から1チームにすることを決めている。また東日本大震災に関連し、義援金約30万円を中日新聞社会事業団を通じて寄付し、さらに春季リーグの全試合を「支援試合」として義援金を募ることなどを決めた。
■愛院大「投の3本柱」そろう 挑む打の名城大 伏兵の愛工大 春季リーグを展望
昨年、春秋連覇を達成した愛院大を中心とした優勝争いになる。
愛院大は昨年の大黒柱・浦野が健在。さらに故障していた中根、武石が復活し、伊藤総監督も「今季は3本の柱で臨む。防御率0点台が目標」と威勢が良い。俊足選手がそろう攻撃陣は、機動力で得点力アップを目指す。
名城大は角屋が先発に回り、下平とともに投手力が安定。昨季チーム打率トップだった打者陣も多く残り、愛院大を脅かす。伏兵は昨季最下位の愛工大。打力アップに取り組み、開幕カードで王者・愛院大撃破を狙う。昨季惜しくも優勝を逃した名商大も昨年のレギュラーが多数残った。新エース上野が奮起すれば悲願の優勝に手が届く。
中部大は、昨年の大黒柱・石川の穴を尾越、木村の両左腕が埋める。愛大は永田、明神の4年生右腕が軸になる。出遅れ気味の伊佐地が加われば、投手力に厚みが増す。 (田中一正)
(2011年3月27日 中日スポーツ10面より)