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中日新聞掲載の大学記事

2011.03.09

静電気 しびれる謎解き 名工大グループ

■電磁波 光速で全身駆け巡る

 静電気を指先でビリッと感じると、電磁波が光速で体の表面を駆け巡っていく−。名古屋工業大大学院の平田晃正准教授(情報工学)や藤原修教授らのグループは、静電気で電磁波が人体を流れる経路を突き止めた。米電気電子学会誌の電子版に8日、発表した。

 静電気を指先で感じると電磁波が流れることは予想されていたが、全身を巡ることは知られていなかった。平田准教授は「今後、手を触れただけで通過できる改札の開発や、静電気による電子機器の誤作動防止などに役立つ可能性がある」と話している。

 研究グループはまず、脳や臓器、筋肉など精密な構造を持ったコンピューター内の人体モデルを活用。外部からの刺激に対し、実際の人間と同じ反応が出るように設定した。

 人体モデルに静電気を加えると、電磁波がほぼ光速の時速10億キロメートルで体の表面を伝わった。指先から腕、胴体を通り、地面に引き寄せられて足に伝わり反射。今度は上に向かい、頭頂部から空気中に発射されていった。静電気の発生から放出までの時間は約1億分の1秒だった。

 その後、実際に人体でも検証。電磁波が通る体の部分に計測装置を付けると、コンピューターと同じ結果が出た。これまで、人体を使う実験だけでは体に付ける計測装置の数に限界があり、正確な経路はつかめなかった。

(2011年3月9日 中日新聞朝刊1面より)

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