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中日新聞掲載の大学記事

2010.11.09

岐阜女子大生が絵本館建設 実習で住居学専攻の25人

■12年8月完成予定 園児にも安心の建物

 岐阜女子大(岐阜市太郎丸)の家政学部住居学専攻の学生が、実習授業の一環で、保育実習室「読み聞かせ絵本館」を大学敷地内に建て始めた。2012年8月の完成を目指す。(稲熊美樹)

 この授業は、住居学専攻の1〜3年生25人が受講する「特別プロジェクト実習」。実習を通して、力学や建築設計など講義の理解を深めてもらう目的だ。業者の協力を得ながら、建設作業も学生が進める。

 目指したのは、地域住民や幼稚園児らに使ってもらう安全・安心で、あたたかみを感じられる建物。同大で幼児教育を学ぶ学生が、園児らを招いて絵本の読み聞かせやベビーマッサージの実習をする際に使うことを想定している。

 実習は昨年4月に開始。昨冬に4グループでコンペを行い、絵本館を造るアイデアが固まった。3年生を中心に、外観と内装の図面を作成。保育実習を担当する生活科学専攻の教授らの要望を調査し大きな紙芝居を収納できる本棚などを取り入れた。

 絵本館は木造一部2階建てで、広さは延べ約50平方メートル。今月上旬に着工した。柱と梁(はり)で組み立てる軸組工法で、上から見ると八角形で柱は1本。「梁を放射線状に作るため、梁同士のかみ合わせ調整が難しかった」という。窓は身長100センチの幼児に合わせ、床上約80センチの高さに設計。ほかに、天井近くには採光用の窓も設けた。

 2階部分は、ツリーハウス型。プロジェクト代表の3年岩田実夏さん(21)は「秘密基地をイメージした」という。2階へは階段だけでなく滑り台も設け、園児が楽しめる工夫を凝らした。材料にもこだわり、県産のスギやヒノキを使う予定。

 授業を担当する森雅治教授は「社会や地域に貢献したり、環境に配慮した建物を造るプロセスを学んでもらいたい」と話す。

 3年の加藤●奈さんは「実際に自分たちで作ると、授業で習ったことがより詳しく分かる」。建築確認申請書類の作成も学生が主体になって進めたといい「実務が大変だとよく分かった」と話していた。

●は「咲」の左右逆の字

(2010年11月9日 中日新聞朝刊岐阜近郊版より)
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