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中日新聞掲載の大学記事

2010.11.09

愛知大学野球 1、2部入れ替え戦最終日 愛工大1部残留決定

■中京大破り2勝1敗

 愛工大(1部6位)が中京大(2部1位)に延長の末、3−1で競り勝ち、2勝1敗で1部残留を決めた。愛工大は1点追う9回2死から6番・長谷川肇左翼手(4年・神戸国際大付)の適時打で同点とし、延長11回に5番・山下諒二塁手(3年・愛知啓成)の2点適時二塁打で勝ち越した。

■11回に山下決勝打

 まるで優勝したかのようだった。試合終了の瞬間、がっくりと肩を落とす中京大ナインの横で、抱き合い、ハイタッチを繰り返して大喜びしたのは愛工大ナインだった。

 「1部と2部では大違い。(2部に)片足を突っ込んだけど、これは執念ですよ」。あと1死で2部降格の窮地から追い付き、延長で勝ち越し。試合を振り返る奥田好弘監督(46)の目は血走ったままだった。

 敗色濃厚だった。3連投した中京大の先発・上杉を打ち崩せず、8回までゼロ行進。愛工大も先発左腕・佐藤が好投したが、7回に連続四球から先制を許していた。

 まさに絶体絶命の9回。1死から敵失で二塁に走者を進めた。2死となり、追い詰められたが、2戦連続で送りバントを失敗していた長谷川がしぶとく三遊間を破って同点。その後は中京大のサヨナラの好機を3連投となった2番手・野元がしのいで、11回の山下の勝ち越し打を呼び込んだ。

 「みんなの期待を裏切りたくないし、後輩たちに1部でやらせたかった」と4年生の長谷川。9回の好機で三振していた山下も「(打席で)泣きそうだった。ここで打たないと、と強い気持ちで打った」と胸を張った。

 昨秋の1部再昇格後も昨秋、今春と2季連続で入れ替え戦に回っていたが、今秋は開幕から2カード連続で勝ち点を獲得。だが、上位が見えた途端、転がるように最下位に落ちた。ショックはあった。だが、自然体で本番に臨めるように、入れ替え戦前はあえてリーグ戦同様の練習で備えた。

 「この厳しさを忘れないように。これまで波が大きかったのを少なくして、なくさないといけない」と奥田監督。2勝で勝ち抜いた過去2季とは違い、今回は1回戦で敗れて1敗もできない状況に追い込まれたが、土壇場でナインの執念が実った。苦い経験と逆境を乗り越えた自信を、来春につなげる。 (麻生和男)

■一からチーム作り

 中京大は2季ぶりの1部復帰を逃した。1回戦で満塁弾を放った8番・東間が7回に1死一、二塁、左前適時打して先制したが、土壇場で追い付かれた。サヨナラ機にはあと1本が出なかった。「短期決戦なので何が起きるか分からない。口うるさく言っていたのだが…」とは今秋就任したばかりの半田監督。「もう一度、一からチームを作り直したい」と再起を誓った。

▽3回戦(愛工大2勝1敗)
愛工大(1部6位) 00000000102―3
中京大(2部1位) 00000010000―1
(延長11回)
(工)佐藤、野元−三宅、井上
(京)上杉−東間
(愛工大は1部残留)

(2010年11月9日 中日スポーツ8面より)
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