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お知らせ  2026.01.27

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マダニ感染症 迅速診断 藤田医科大、キット開発着手

 マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の早期治療につなげようと、藤田医科大(豊明市)は大阪大や宮崎大などと連携し、感染の有無が15分ほどで分かる診断キットの開発に乗り出した。現状では診断に数日かかり、重症化につながる恐れがあるという。2026年度中の完成を目指す。

 SFTSは、草むらや畑などに生息するウイルスを持つマダニに刺されて感染する。2013年に国内初の感染者が確認され、西日本を中心に毎年100人前後が感染。国立健康危機管理研究機構のまとめでは、昨年の感染者は速報値で191人と過去最多だった。

 潜伏期間は最長2週間で、発熱や消化器症状などが表れる。重症化すると出血や意識障害を伴い、致死率は10~30%に上る。ワクチンはなく、治療薬として使う抗ウイルス薬のアビガンは早期投与が重要となる。診断には、新型コロナウイルスで知られるようになったPCR検査などが用いられるが、数日を要する。

 宮崎県内で感染者が多く、宮崎大や同県衛生環境研究所で先進的な研究が進む。藤田医科大は22年、宮崎大の患者データを使い、免疫細胞から特別な抗体を開発することに成功。昨年末から大阪大と共に、迅速な診断キットの開発を進めている。

 藤田医科大・国際再生医療センターの大島信子講師は「東海地方でも感染のリスクが高まっている。抗体を活用することで早い診断につながれば」と期待。宮崎大産業動物防疫リサーチセンターの岡林環樹教授は「高い致死率を下げるためには早期診断が重要。症状が出たら早めに病院に行ってほしい」と呼びかけた。(大野沙羅)

(2026年1月27日 中日新聞朝刊県内版より)
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