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お知らせ  2025.12.12

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折れたバットで被災者支援 名古屋聾学校生と名城大生

折れたバットを再利用した作品の販売収益金を中部善意銀行に寄託した関係者=中日新聞社で

折れたバットを再利用した作品の販売収益金を中部善意銀行に寄託した関係者=中日新聞社で

■加工品収益23万7000円寄託

 使えなくなった野球用具に新たな命を吹き込み、被災地のために-。名古屋聾(ろう)学校(名古屋市千種区)の生徒と名城大学(天白区)の学生が協力して、木製バットを再利用し、いすやゲーム盤などを作った。今秋の文化祭や学園祭で販売し、売上金約23万7千円を11日、中部善意銀行(中区)に寄託した。

 2022年度から続く社会貢献の取り組み。本年度は、木材加工などを学ぶ名古屋聾学校インテリア科の5人と、名城大経済学部の34人が参加。バットは県内の26大学の野球部の活動で折れたもので、愛知大学野球連盟が提供した。トヨタ紡織猿投工場(豊田市)からはシート生地の端材やパレットの廃材をもらった。

 生徒と学生は4月から半年間、計10回集まり、筆談をしながら製品のデザインを考え、いすやゲーム盤のほか、バットの塗装や曲面を生かした額縁、スマホの音声を拡声する木製スピーカーなど、工夫を凝らした計約200点を製作した。

 名古屋聾学校高等部専攻科1年の生徒(18)は「実際に使ってもらえるものを作るよう心がけた。たくさんの人に買ってもらえてうれしかった」と振り返った。

 中部善意銀行への寄託は昨年度に続き2回目で、寄託金は能登半島地震の被災者支援に充てられる。名城大3年の国正和真さん(21)は「福井県出身で被災地に思い入れがあり、復興に役立てば。聾学校の皆さんと一緒に活動するのも貴重な経験になった」と話した。

 寄託金を受け取った同銀行の鈴木長明常務理事は「温かい気持ちと一緒に、復興支援として届けたい」と話した。(水谷元海)

(2025年12月12日 中日新聞朝刊県内総合版より)
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