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学生活動 2025.02.23
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直忠先生の教え しのび奏でる 南山大管弦楽団 70周年演奏会 あす県芸術劇場で
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本番へ向け練習を重ねる南山大管弦楽団と合唱のメンバーら=名古屋市昭和区の同大で
1950年に山本らを迎え「音楽部」の一部門として発足するも一時部員不足に陥った。55年に多くの部員を迎えて再興し、同年を創立年としている。山本らの指導で組織と技術の両面で充実し発展してきた。
演奏曲は、山本が作曲した「平和のための祈り」「祈聖(サンクトゥス)」、ドボルザークの「新世界より」など。
「平和のための祈り」では、OBの鈴木巍士(たかし)さん(79)=東京都=が指揮を担当する。団員から「おやじ」と慕われていた山本から、優しさとユーモアに満ちた指導を受けた最後の世代だ。「直忠先生の教えを受け継いでほしい」と思いを寄せる。
同大聖歌隊のスコラ・カントールムのメンバーや男声合唱のメイルクワイヤーOB、女声合唱団OGら約100人のコーラスも加わる。
16日に南山大であった管弦楽団と合唱の合同練習では、鈴木さんが「コーラスが入ってきたら音量を落として」などと、管弦楽団のメンバーに指示を出し、最後の仕上げに神経を注いでいた。
「祈聖」「新世界より」などは、山本の孫でチェロ奏者、指揮者の祐ノ介さんがタクトを振る。
管弦楽団の現役学生もOB・OGと思いを一つにする。演奏会の実行委員でクラリネットの原萌々果(ももか)さん(3年)は「70年の歴史を伝えていきたい」、フルートの柏木真菜実さん(3年)は「いつまでも続けている先輩方を尊敬している」と、晴れ舞台を楽しみにする。
OB・OG会長の吉川稔さん(81)=名古屋市緑区=は「南山らしい宗教曲や受け継がれてきた曲などで、立派な演奏会にしたい」とやる気を見せた。
午後2時開演。前売り、当日とも千円で全席自由。
問い合わせは演奏会専用メール=nanzanoche.anniversary@gmail.com=へ。
やまもと・なおただ(1904~65年) 東京都出身。作曲を山田耕筰、指揮を近衛秀麿に学ぶ。50年に南山大の教授として着任、指揮法や作曲法の講義を担当し、同大管弦楽団の指導もした。作曲家、指揮者の故山本直純は息子で、孫に作曲家の純ノ介さん、チェロ奏者、指揮者の祐ノ介さん。
(2025年2月23日 中日新聞朝刊県内総合版より)