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学生活動 2024.10.13
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愛岐トンネル群 自転車で行く 来月から試乗体験 通年での観光資源化目指す
春日井市の国登録文化財・愛岐トンネル群(旧国鉄中央線廃線跡)のトンネル内で、長い距離を安全に通行するための自走式自転車を開発、導入するプロジェクトが進んでいる。トンネルは保存再生に取り組む市内のNPO法人「愛岐トンネル群保存再生委員会」が年に2回公開しているが、新たな通行システムの実証実験を通して将来的に観光資源として通年で活用する可能性を探っていく。12日は地元の中部大や企業の協力で作った試作車を試験走行させた。 (牧真一郎)
■春日井のNPO 中部大、企業と開発
5号トンネル(延長99メートル)のバラスト上に板を敷き、ガイドレール1本を敷設。両端にはUターンするための転車台を備えた長さ28メートルの実験線を作った。12日、メンバーらが電動アシスト自転車を横に連結した試作車(重さ約60キロ)をこいで往復し、スピードや安全性などを確認した。
2017年に同NPO法人が、春日井工業高(現・春日井工科高)と名古屋市立工芸高、中部大工学部と一緒に研究会を発足させた。トンネル群の中で延長607メートルと最も長く、岐阜県多治見市にある7号トンネルを想定し、楽しみながら安心・安全な移動ができる手段を3年余り研究した。
岐阜県飛騨市神岡町で人気を集めるレールマウンテンバイク「ガッタンゴー」など、廃線跡を利用した事例も参考に検討。愛岐トンネル群は廃線後にレールが撤去されているため、新たに敷いた上で、環境に負荷がかからない自走式自転車を走らせる「エコ通行システム」を提案した。
ただ、名古屋市が所有する7号トンネルは、ごみ最終処分場として現在使われており、整備・活用できるめどは立っていない。このためNPO法人は、所有する5号トンネルでの実証実験を重ねることにした。
昨年からは中部大や春日井市内に営業本部がある自転車メーカー「東部」の協力で試作車の開発に取り組んだ。電動自転車2台をつなぎ、最大で大人3人と子ども2人が乗れる車を完成させた。このほか、学生たちが人力でこぐ車両を試作。将来的に客が降りた車両を回収するためのけん引車も作った。
11月17日に初めて実施する春日井市民対象の無料開放デーで市民に試乗してもらう。同23日~12月1日の秋の特別公開でも運行し、来場者の声を今後の計画に反映する。NPO法人理事長の村上真善(まさよし)さん(72)は「通年運用となると30~50台は配備する必要がある。2、3年かけてデータを収集したい」と話す。
(2024年10月13日 中日新聞朝刊県内版より)
■春日井のNPO 中部大、企業と開発
5号トンネル(延長99メートル)のバラスト上に板を敷き、ガイドレール1本を敷設。両端にはUターンするための転車台を備えた長さ28メートルの実験線を作った。12日、メンバーらが電動アシスト自転車を横に連結した試作車(重さ約60キロ)をこいで往復し、スピードや安全性などを確認した。
2017年に同NPO法人が、春日井工業高(現・春日井工科高)と名古屋市立工芸高、中部大工学部と一緒に研究会を発足させた。トンネル群の中で延長607メートルと最も長く、岐阜県多治見市にある7号トンネルを想定し、楽しみながら安心・安全な移動ができる手段を3年余り研究した。
岐阜県飛騨市神岡町で人気を集めるレールマウンテンバイク「ガッタンゴー」など、廃線跡を利用した事例も参考に検討。愛岐トンネル群は廃線後にレールが撤去されているため、新たに敷いた上で、環境に負荷がかからない自走式自転車を走らせる「エコ通行システム」を提案した。
ただ、名古屋市が所有する7号トンネルは、ごみ最終処分場として現在使われており、整備・活用できるめどは立っていない。このためNPO法人は、所有する5号トンネルでの実証実験を重ねることにした。
昨年からは中部大や春日井市内に営業本部がある自転車メーカー「東部」の協力で試作車の開発に取り組んだ。電動自転車2台をつなぎ、最大で大人3人と子ども2人が乗れる車を完成させた。このほか、学生たちが人力でこぐ車両を試作。将来的に客が降りた車両を回収するためのけん引車も作った。
11月17日に初めて実施する春日井市民対象の無料開放デーで市民に試乗してもらう。同23日~12月1日の秋の特別公開でも運行し、来場者の声を今後の計画に反映する。NPO法人理事長の村上真善(まさよし)さん(72)は「通年運用となると30~50台は配備する必要がある。2、3年かけてデータを収集したい」と話す。
(2024年10月13日 中日新聞朝刊県内版より)