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学生活動  2024.06.18

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岐阜県営住宅 子育てしやすく 岐阜女大生がリノベプラン提案

県営住宅のリノベーションプランを発表する学生ら=岐阜市太郎丸の岐阜女子大で

県営住宅のリノベーションプランを発表する学生ら=岐阜市太郎丸の岐阜女子大で

 入居者の高齢化が進む県営住宅に子育て世代も入居してもらうと、岐阜女子大(岐阜市)の学生たちがリノベーションプラン(改修計画)を県に提案した。県は本年度、この案を基に岐阜市と各務原市の計4戸で改修工事を行う。キッチンから子どもに目が届くような配慮が特徴だ。(稲垣達成)

■岐阜、各務原の4戸改修へ 台所からの視野広く

 「シンプルなデザインにでき、多くの人に受け入れてもらえると思う」。先月、岐阜女子大で開かれた発表会で、4年の岩田夏帆さんは自信を持ってプランを説明した。3年の権藤みなみさんも「住む人が笑顔になってくれたらうれしい」と話した。

 県によると、県営住宅は6市2町の14団地に計約4300戸あり、多くは住宅が不足していた昭和30~50年代に建てられた。今年4月1日時点の入居率は71%にとどまり、65歳以上の入居者は53%に。住宅課の担当者は、こうした背景として「間取りが今のライフスタイルに合っていないことも要因」とみる。

 そこで県は、各務原市で市営住宅や空き家の改修を手がけた実績のある岐阜女子大とタッグを組み、県営住宅の改修に着手。住居学を専攻する2~4年生が2022~23年度に、授業の一環として現地を調査し、子育て世帯が住みやすい間取りや内装のリノベプランを考案した。

 対象は岐阜市の加野住宅と各務原市の尾崎住宅の各2戸で、間取りはいずれも3DK。1951(昭和26)年に採用された公営住宅の設計プランに基づいて造られ、畳の和室を中心に、部屋ごとに戸や押し入れなどで区切られている。

 「暗い」「窮屈」といった印象を受けた学生たちは「キッチンにいても、リビングの子どもに目が届くように」と、3DKを広々とした1LDKに改装するアイデアをまとめた。

 県は本年度中に工事を始める方針。学生たちも壁紙やフローリングなど改装に必要な材料の選定に携わる予定だ。

(2024年6月18日 中日新聞朝刊岐阜県版より)

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