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学生活動  2024.03.14

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チーム医療 楽しく学ぼう 岐阜医療科学大がカードゲーム開発

岐阜医療科学大が開発したカードゲーム「メディスタ!」=関市桜ケ丘の関高で

岐阜医療科学大が開発したカードゲーム「メディスタ!」=関市桜ケ丘の関高で

■ターゲットは高校生 「進路の選択肢に」

 現代医療で求められるチーム医療を疑似体験して学ぼう-。そんなカードゲーム「メディスタ!」が誕生した。開発したのは、岐阜医療科学大(関市市平賀)。企画に携わった同大大学革新推進部の今井将太さん(33)は「この先、医療従事者の不足が予想される中で、医療の道が子どもたちの選択肢の一つになってほしい。このゲームがそのきっかけになれば」と願う。(金田侑香璃)

 超高齢化社会に突入し、人々の生活を支える「医療」の需要は今以上に高まる。今後、医療従事者の担い手不足は大きな課題。医療に携わる大学として何か、解決の糸口になることができないか。そんな思いから企画が動き出した。

 ターゲットはこれから進路を決める高校生。学校生活を送る中で、医療に触れる機会をつくりたいと考えた。関心のない人でも楽しめるよう、親しみのあるカードゲームを取り入れた。

 完成したゲームは、プレーヤーが医療従事者となり患者をチームで救う。始めに医療従事者役となった参加者は医者や薬剤師、看護師といった五つの役割に分かれる。続いて、症状や治療、検査方法が書かれたカードを使いカルテの作成や治療方針を協力しながら決めていく。正しい診断や検査を選ぶとポイントが加算され、その合計点を競う。

 内容は、大学院の田中邦彦教授(57)が監修した。難しい専門用語が書かれたカードには、説明を加えたり、振り仮名を添えたりして分かりやすく表現。楽しみながら知識も得られるよう解説動画も作成した。

 ゲームとしての面白さも追求。親しみやすいイラストを添え、患者それぞれに受診までの背景も設定した。病院に来てから退院するまでのストーリーを参加者がイメージしやすいものに仕上げた。

 2022年4月に開発を始め、岐阜、愛知県の七つの高校でモニタリングを実施。体験した生徒からは「一人一人に大きな役割があることが実感できた」「楽しかったし、達成感もあった」などと好評だったという。

 教育、医療、ゲームの三つをかけ合わせた新たなツールの誕生。若い世代と医療の架け橋になることが期待される。田中教授は「基本的なことに絞り、分かりやすさを重視した。医療への入門として、良い物ができたと思う。ゲームを通して、医療を深く学びたいと思ってもらえれば」と話した。

 今後は、教育現場でキャリア教育の一環としての活用を提案していく。大学職員や田中教授が学校に出向いて解説をしながら実施することを想定する。販売は予定していないが、利用したい教育機関や団体には貸し出す。(問)岐阜医療科学大大学革新推進部=0574(65)6555

(2024年3月14日 中日新聞朝刊中濃版より)

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