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お知らせ  2023.11.28

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寄付呼び込み策 名城大生が蟹江町に提案 目指せ ふるさと納税「赤字脱却」

カニにちなんだ返礼品やPR方法を提案する名城大の学生たち=蟹江町役場で

カニにちなんだ返礼品やPR方法を提案する名城大の学生たち=蟹江町役場で

■ご当地キャラでPRや体験型返礼品など

 ふるさと納税で税金が町外に流出する現状を打開しようと、名城大の学生たちが蟹江町の横江淳一町長らに寄付を呼び込むための提案を行った。若者の視点から、町名のカニにちなんだ返礼品やPR方法のアイデアを考案。これを踏まえ、町はふるさと納税の「赤字脱却」の取り組みを加速したい考えだ。(森雅貴)

 蟹江町のふるさと納税の返礼品では、地元の尾張温泉の回数券や地元産の日本酒スパークリングセットなどが人気を集める。ただ寄付は、肉や魚などの人気の返礼品を目玉に据える自治体に集中する傾向が強まっており、自治体間の返礼品競争が激しくなっている。

 その結果、ふるさと納税で町に入る寄付から、町外へ流出した税金を差し引いた赤字額は2021年度に9600万円と全国の町村で4番目に多い。税金の流出が続けば、将来的に安定的な行政サービスの提供にも影響しかねないとして、町は名城大経営学部の沢田慎治准教授のゼミに協力を要請。マーケティングを学ぶ2、3年生のゼミ生25人が5月から、ゼミの課題として同町のふるさと納税の調査研究に取り組んできた。

 学生たちは20日、町役場を訪れ、横江町長ら幹部職員を前に、「蟹江町ふるさと納税~黒字への道~」と題して、5グループに分かれてプレゼンテーションを行った。ゼミ長の3年大屋絢菜さんは「日本で唯一、カニが付く自治体。独自性を生かした企画を考えた」と語り、町名を活用したブランド化を訴えた。

 ある班は、カニに関わる返礼品の開発を提案した。町内ではカニが取れなくなって久しいが、例えば、カニを食べるときに使うはさみなどの器具や、カニにつける酢などの調味料を返礼品として扱う案を示した。

 別の班は、町公式キャラクター「かに丸くん」を生かしたPR作戦を考えた。ご当地キャラは関心を集めやすいとして、「特技は高速横歩き」など、かわいげのあるキャラクター設定をして、交流サイト(SNS)でふるさと納税についてつぶやくアイデアだ。

 そのほか、現状は体験型の返礼品が少ないとして、「水郷のまち」の観光資源を生かし、日光川でのいかだ船の操縦体験などを提案。さらに特産のイチジクは、配送時に傷つきやすいものの、「ドライフルーツにすれば、年中返礼品として扱える」との声もあった。町幹部はメモを取りながら学生たちのプレゼンに聞き入った。横江町長は「学生の柔らかい意見は貴重」と語り、若者のアイデアを施策の参考にしたい考えだ。

(2023年11月28日 中日新聞朝刊尾張版より)

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