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学生活動  2022.12.09

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名学院大生が新商品 消防局不用品「アップサイクル」

元は消防用品だった商品を売る学生たち=名古屋市熱田区の熱田神宮で

元は消防用品だった商品を売る学生たち=名古屋市熱田区の熱田神宮で

 不用品に付加価値を加えて商品化する「アップサイクル」に取り組む名古屋学院大(名古屋市熱田区)の学生たちが1日、同区の熱田神宮であった朔日(ついたち)市で、新商品の花瓶を含む3つの製品を販売した。学生のアイデアを基に、区内にある障害者の就労支援事業所「名身連(名古屋市身体障害者福祉連合会)第一ワークス」が製作した。両者は、今後も新たな商品を生み出そうと意欲を見せる。(村松秀規)

 目玉の花瓶(1800円)は、消防ホースをつなぐ筒状の結合金具を再利用。有松絞の生地を装飾に用いているのに加え、関係者との交流を通じて、染色して模様を作る際に生地を束ねる「くくり糸」が捨てられていることを知ったため、こちらも活用。ミサンガのように織り込んで飾りにし、花瓶に彩りを添えた。

 考案した2年重松彩希さん(20)は、商品化されて自信を付けた様子で「かわいく仕上がった。もっといろいろなアイデアを出して、アップサイクル商品を知ってもらいたい」と意気込みを語る。

 現代社会学部の学生7人でつくる実行委による企画。35人が20以上のアイデアを出し、その中から名身連が3つを選んで商品を作った。職員の井戸田啓介さん(47)は「私たちが新商品を考えるのは難しい。学生の柔らかい頭で生まれた発想をデザインしてもらうことはプラスになる。ぜひ続けてほしい」と歓迎する。

 名身連がアップサイクルを始めたのは、2年前に市消防局から廃棄予定の防火服の活用を提案されたのがきっかけ。この時は、利用者がボディバッグ(4800円)を考え、製品化につなげた。今年4月から、名身連の法人理事も務める現代社会学部の水野晶夫教授が授業の一環で、製品アイデアの提案を持ちかけ、関心を持った学生たちが取り組むようになった。

 この日は、学生が考案した、市消防局の防火服で作ったランドセルカバー(2800円)や消防ホースを使ったフラワーボックス(1500円)も、ボディバッグとともに販売。実行委員長で3年の長谷川新(あらた)さん(20)は「まだまだ良いアイデアがたくさんあるので、さらに商品を増やしていきたい」と意気込む。次回は2月の朔日市に出店する予定だ。

(2022年12月09日 中日新聞朝刊県内総合版より)

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