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お知らせ  2022.11.12

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世界的感染症の両生類 確認 長浜バイオ大チーム

■アカハライモリ 県東部のダムで国内初

 長浜バイオ大(長浜市田村町)は、アニマルバイオサイエンス学科3年の河原豪さん(20)らの研究チームが、世界的に両生類への感染が拡大しつつある「デルモシスチド感染症」にかかったアカハライモリを県内で発見したと発表した。国内で両生類の感染が確認されたのは初めてとしている。河原さんは「デルモシスチド感染症が日本の両生類に与える影響は未知数だが、注視が必要」と話す。(伊東浩一)

 感染を確認したのは、河原さん、日大生物資源科学部の橋本統教授を中心とする5人の研究チーム。市民から情報提供を受け、昨年3月と今年1月に県東部の砂防ダムで、背中や腹部、尾っぽに水疱(すいほう)や袋状などの皮膚病変があるアカハライモリ計10匹を捕獲した。

 病変の皮下には多数の胞子が認められたほか、電子顕微鏡で観察すると、表皮に近い部分にある胞子に、べん毛を持った原生生物が存在することが確認されたことなどが、欧米でのデルモシスチド感染症の報告に似ていた。

 さらに、捕獲した10匹のうち3匹の皮膚病変の遺伝子配列を解析した結果、デルモシスチド感染症と断定した。

 デルモシスチド感染症は古くから欧州でカエルやイモリなどの両生類への感染が報告されている。近年になって北米のイモリ、南米のカエルでも感染が確認された。今回の発見により、河原さんは「世界で広がりつつある感染症が日本にも入っていることが分かった。感染は県東部だけなのか、日本各地で発生しているのか、非常に気になる」と話す。

 世界では現在、多くの両生類の個体数が急減している。その要因の中でも、感染症の流行は種の存続を脅かす重要な問題とされる。北米の調査研究では、デルモシスチド感染症がイモリの生存率低下に関与している可能性が示唆されており、河原さんは、デルモシスチド感染症が「日本の両生類に与える影響を今後明らかにしたい」と調査を継続する意向を示す。

(2022年11月12日 中日新聞朝刊びわこ版より)

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