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学生活動  2022.10.27

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サクッと味わう SDGs 環境への配慮 伝えたい 南山大生 福祉施設とクッキー開発

クッキーを袋詰めする南山大の学生ら=名古屋市天白区で

クッキーを袋詰めする南山大の学生ら=名古屋市天白区で

 南山大(名古屋市昭和区)で環境社会心理学を学ぶ学生たちが、29~31日の大学祭で障害者が手作りしたクッキーを販売する。市内の福祉施設と共同開発。持続可能な開発目標(SDGs)を意識して体や環境に優しい素材を使用し、「SDGsグラノーラクッキー」と名付けた。「作り手の思いや環境に配慮した商品ということを知ってもらえたら」。1つの焼き菓子をきっかけに消費行動に変化が生まれてほしいと願う。 (戸川祐馬、写真も)

 大学祭を目前にした23日。名古屋市天白区の調理場に学生と障害者が集まっていた。障害者が作ったクッキーを学生も一緒になって透明の袋に詰め、カラフルな帯を巻き付けていく。総合政策学部3年の岡部百寧(もね)さん(20)=名古屋市東区=は「かわいく仕上がった。たくさんの人に手に取ってほしいな」と笑顔を見せた。

 手掛けるのは、グラノーラ専門店「グラニー」が販売を予定しているクッキーだ。同店は一般社団法人・日本福祉協議機構(同市天白区)が名古屋・栄などで運営する福祉施設。障害者と健常者がともに働き、食品ロス削減などに取り組んでいる。

 こうした活動に感銘を受けた学生たちは大学祭で障害者とのクッキー販売を企画。考案した5種類は「ビターカカオ」「ほうじ茶」「抹茶ラテ」「フルーティー」「ベリー&ナッツ」で、いずれも「体に良いものを」と選んだ。「ビターカカオは集中したいときのおやつに」「ほうじ茶はリラックスしたいティータイムに」といったように、場面ごとの選択を提案している。

 「NFセロパック」と呼ばれる水と二酸化炭素(CO2)に分解される植物由来の素材を包装袋に用い、プラスチックごみの排出につながらないよう配慮した。環境や社会福祉への理解を深めてもらおうと、商品一つ一つに思い思いのメッセージを添えた。

 クッキーは1袋3個入りで350円(税込み)。国際教養学部4年の堤翔太さん(22)=同県東郷町=は「価格は少し高いかもしれないが、どういう人が関わって作られた商品なのか、その商品にどういう価値があるのかを知ってもらえたら」と話している。

 3日間で計450袋を販売。大学祭の入場にはホームページ(「南山大学大学祭」で検索)で事前予約が必要。予約の受け付けは28日午後3時まで。

(2022年10月27日 中日新聞夕刊1面より)

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