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学生活動  2022.09.07

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湯ケ峰で南山大学生ら発掘調査 下呂石から見る地域の歴史 10日に住民へ報告会

湯ケ峰で石器を発掘する村井さん(右)ら

湯ケ峰で石器を発掘する村井さん(右)ら

 旧石器時代から縄文時代にかけて石器の材料として使われた下呂石の発掘調査を、産地である下呂市の湯ケ峰で南山大の学生らが進めている。先月から市内の古民家を借り切って泊まり込みで作業をし、10日には調査の成果を住民らに報告する。(上田千秋)

 訪れているのは、同大人文学部の上峯(うえみね)篤史准教授(先史考古学)の下で学ぶゼミ生や学部生、同大大学院生ら総勢22人。調査は先月下旬から今月中旬まで、JR下呂駅の東約3キロの地点にそびえる湯ケ峰の山頂付近4カ所で順次、実施。湯ケ峰は下呂石の産地というだけでなく、昔の人が加工した場所でもあり、随所に石器が埋まっている。

 下呂石は、10万年前に湯ケ峰が噴火した際に出た溶岩が、冷えて固まった黒い岩石。割りやすく比較的加工が簡単なことから、やりややじりなどとして広範囲で使われたことが分かっている。富山県や長野県、千葉県などでも見つかっており、黒曜石やサヌカイトなどと並ぶ、石器の貴重な材料だったとみられる。

 上峯准教授は「下呂石は各地に流通していて、それを調べることで当時の人と人とのつながりや、暮らしのありようが分かる」と説明する。

 上峯准教授と学生が生活しているのは、同市焼石にある築100年以上の古民家「のなか庵」。安く泊まれる場所を探していた上峯准教授らの希望を耳にし、家主が貸し出しを快諾した。

 暮らしは快適のようで、大学院1年の村井咲月さん(23)は「炊飯器を2台も用意してくれたり、差し入れをしてくれたり、地元の人によくしてもらっている。何の不便もない」と話す。上峯准教授も「調査は自分たちだけでやっているわけではなく、地元の人に支えてもらって成り立っている。地域の歴史を明らかにし、それを伝えていきたい」と語った。

     ◇

 10日の報告会は、のなか庵が会場。午後1時35分から1時間置きに4回実施し、発掘現場の写真や出土した石器などは同一~5時に自由に見られる。(問)上峯准教授のメール=auemine@nanzan-u.ac.jp

(2022年9月7日 中日新聞朝刊飛騨版より)

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