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学生活動  2022.06.21

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名古屋学芸大 撮影、編集、配給、宣伝…プロから吸収 学生が映画 本格製作へ

映画製作について、仙頭武則さん(左端)の話を聞く学生ら=愛知県日進市の名古屋学芸大日進キャンパスで

映画製作について、仙頭武則さん(左端)の話を聞く学生ら=愛知県日進市の名古屋学芸大日進キャンパスで

 名古屋学芸大(愛知県日進市)が、小泉今日子さんら著名俳優やプロの監督と共に本格的な映画製作に乗り出す。7月から名古屋市内を中心に撮影する。学生らが撮影や編集に加え、配給や宣伝業務にも携わる。来年をめどに名古屋をはじめ全国の劇場での公開や、国際映画祭などへの出品を目指すという。(花井康子)

■小泉今日子さん、尾野真千子さんら出演

 出演俳優は小泉さんのほか、尾野真千子さん、とよた真帆さん、佃典彦さんらで、いずれも脇役を務める。主演の男女2人は共に若手俳優という。監督・脚本は「MADE IN YAMATO」(公開中)などで企画・監督を務めた宮崎大祐さん(42)で、今回のためオリジナル脚本を書き下ろした。

 作品名は「Plastic」で、高校生の男女2人が好きなロックバンドの曲を通じて距離を縮めていく青春恋愛物語。新型コロナウイルス禍の中で成長する側面も描く。

 プロの参加が実現したのは、発案した映画プロデューサーで、名古屋学芸大メディア造形学部映像メディア学科の教授を務める仙頭(せんとう)武則さん(60)の人脈が大きいという。製作費用は大学が負担する。

 大学側は同学科の3~4年生と卒業生ら計約60人が参加。照明や録音など主要スタッフは映像分野で働く卒業生が担当し、学生は現場でサポートに付く。完成後、希望者は配給業務にも関わり、劇場公開に至る過程も学べる。

 仙頭さんは「映画は観客が見て初めて完成する。収益の“当たり外れ”ではなく、見てもらうために、どうすればいいか学んでほしい」と期待する。4年の藤谷百花さん(21)は「プロから吸収できるものは全て得たい」。名古屋市内の劇場でアルバイトをしながら脚本を書く卒業生の長谷川汐海(しおみ)さん(25)も「自分が役に立てることを探したい」と意気込む。

 宮崎さんは「これがプロとしての第一歩という自覚を持ってほしい」と呼びかけ、「新しい映画の作り方を学生から示してもらい、プロの側も可能性を模索したい」と話した。

(2022年6月21日 中日新聞朝刊28面より)

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