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お知らせ  2022.04.04

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名造形大 新校舎の学食 障害者らと交流の場に

学食で使う磁器に絵付けする学生と障害者ら=北区山田2のソーネおおぞねで

学食で使う磁器に絵付けする学生と障害者ら=北区山田2のソーネおおぞねで

 4月に、小牧市から北区の名城公園東側にキャンパスを移転した名古屋造形大は、新校舎の1階に開く学食を運営する事業者に、同区のNPO法人「わっぱの会」を選んだ。同法人は障害のある人、ない人がともに働ける場として、パン製造や多世代交流施設の運営などに取り組んできた。学生と障害者らが一緒に学食で使う器も作り、大学と福祉による「学福連携」を強めていく。(出口有紀)

■北区のNPO法人が運営

 同大による公募には4事業者が手を挙げた。試食会などを経て、できるだけ国産品を使うなど食の安全を心掛けつつ、味にもこだわる同法人を選んだ。同法人が営むカフェから出る生ごみを堆肥化するなど、環境保護への試みも評価された。

 大学1階に設ける学食「名城ラティス」は約390平方メートルのスペースに160席を置き、地域住民らにも開放。定食や丼、麺類のほか、法人がつくるパンやサンドイッチも販売する。

 野菜を多く使った小鉢メニューも充実させようと、学生と同法人が運営する事業所に通う障害者が料理を入れる磁器約200個を作ることに。3月上旬には、約40人が青色の呉須で、直径約8センチ、深さ5センチの磁器に思い思いに絵や文字を描き、その後同大の工房で焼いて完成させた。

 同大4年の小林加奈さん(21)=豊橋市=は「こういう時は力が入って慎重に描こうとするが、障害者の人たちは筆遣いが生き生きとしていて新鮮。いい刺激になる。器を介し、学食がさまざまな人たちとの交流の場になれば」と話した。

 授業が始まる今月上旬からは午前8時から午後6時まで営業し、モーニングも提供。午後2時以降はカフェとして、コーヒーやデザートなどを出す。5月下旬からは午後9時まで夕食を提供し、土曜の営業も始める予定だ。同法人の斎藤縣三(けんぞう)代表(73)は「学食の運営が落ち着いたら、障害者にも働いてもらい、学生や地域住民と接する機会をつくりたい」と話す。

 学食の店名のラティスは英語で格子の意味。白い格子壁が特徴となる新校舎から命名した同大の高橋綾子教授(59)は「わっぱの会の福祉と大学のアートが格子を組むように、風通しがよく強い関係となり、地域との関わりも構築できれば」と意気込む。

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