佐藤太清賞の日本画「羊を数える」など入賞、入選作が並べられた展示＝東区大幸南１の市民ギャラリー矢田で

　全国の高校・大学生らから絵画作品を募る「佐藤太清賞公募美術展」の巡回展が２１日まで、東区大幸南１の市民ギャラリー矢田で開かれている。日本画の部で最高賞の佐藤太清賞に輝いた名古屋芸術大４年、大岩弓未永さん（２３）＝刈谷市＝の「羊を数える」をはじめ、みずみずしい感性の作品６８点が並ぶ。

　絵画、日本画の両部門に応募のあった計１４５点から、絵画４０点、日本画２８点を選び、展示。大岩さんの作品は、よく眠れない時に羊の数を数える言い伝えをモチーフにした。

　女性３人の寝姿の上に６匹の羊を配し、両者のあわいにはランプが浮かぶ小川を描いた構想力に満ちた労作。審査員から「骨格のしっかりした作品」「発想が面白く、よく工夫が凝らされている」と評価を受けた。

　日本画の部では、名古屋造形大３年、福島七海さん（２１）＝大府市＝の「永遠でないもの」も入選。８歳年下の妹が成長する姿に感じた「少女」の時間の有限性を、詩情豊かに表現した。

　同展は、京都府福知山市出身で文化勲章を受章した日本画家の佐藤太清さん（１９１３～２００４年）の志を受け継ぐため、同市などが０１年から開催している。

（2022年3月19日　中日新聞朝刊市民総合版より）