進学ナビ

HOME > 中日新聞掲載の大学記事 > 学生活動

中日新聞掲載の大学記事

学生活動  2021.09.20

この記事の関連大学

絵本で心のバリアフリー 助け合う心育んで 愛知淑徳大生 製作保育園などに寄贈

子どもらに絵本を読み聞かせる大学生たち=刈谷市小山町のひかりっこで

子どもらに絵本を読み聞かせる大学生たち=刈谷市小山町のひかりっこで

 互いを思いやり、助け合うことで生活の不便を無くす「心のバリアフリー」をテーマにした絵本を、名古屋市と長久手市にキャンパスがある愛知淑徳大の学生たちが作った。クラウドファンディング(CF)で資金を募って130冊を製本。このうち約半分を、両市と刈谷市の保育園や幼児園、小学校などに贈った。 (神谷慶)

 題名は「こまっているひとがいたらどうする?」。24ページで、サイズは19センチ角の正方形。穴に落ちたカメをウサギが助け出すといった動物の助け合いの場面を描きながら、車いす利用者が生活の中で困る時があることを、読者に気付いてもらう内容だ。

 愛知淑徳大では外部団体から講師を招き、その団体が抱える課題の解決策を学生が考える講義が行われている。昨年は障害のあるアジアの子どもや若者へ車いすを贈る刈谷市の認定NPO法人「アジア車いす交流センター(WAFCA、ワフカ)」の職員が「コロナ禍でもでき、障害児支援につながる活動を考えて」と投げ掛けた。野々山綾乃さん(21)=4年=と大野真凜(まりん)さん(20)=3年=ら4人が絵本作りを企画し、昨年11月までにストーリーを考え、骨格をほぼ仕上げた。

 これを受け、ワフカはCFで資金調達して製本することを提案。ワフカでインターンシップ(就業体験)をしていた同大の山本羽奈さん(20)=2年=も作業に加わり、CFで集まった約40万円を元手に6月、本が出来上がった。他大学の学生に呼び掛けて、タイ語など3カ国語に翻訳したデジタル版絵本も併せて完成させ、ワフカのホームページで公開している。

 先月、野々山さん、大野さん、山本さんが刈谷市小山町の児童福祉施設「こども発達支援センター・統合保育園ひかりっこ」に一冊を寄贈し、施設で2~6歳の13人に読み聞かせた。主に絵を担当した野々山さんは「子どもたちみんながにこにこしていて、興味を持ってもらえたと思う。優しい気持ちを持ち、友達同士助け合う心を育んでほしい」と話した。

(2021年9月20日 中日新聞朝刊県内版より)

戻る < 一覧に戻る > 次へ