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お知らせ  2021.08.23

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コロナ禍と女性の貧困 愛大教授が現状を解説

コロナ禍で女性の貧困が深刻になっている現状を指摘する樫村教授=名古屋市熱田区の労働会館で

コロナ禍で女性の貧困が深刻になっている現状を指摘する樫村教授=名古屋市熱田区の労働会館で

 貧困問題に取り組む「反貧困ネットワークあいち」は22日、名古屋市熱田区の労働会館でシンポジウムを開いた。愛知大人文社会学科の樫村愛子教授が「コロナ禍と女性の貧困」をテーマに講演し、構造的な問題を解説した。オンラインを含め35人が参加した。

 樫村教授はコロナ禍で女性の貧困が深刻になった原因として、多くの女性が働く飲食業や福祉関連など対人サービス業種が不況に陥ったことや、学校の休校や休講による育児や家事の負担増などを挙げた。「根本的には男性を稼ぎ手とする終身雇用制度のもとで、女性の非正規労働者が増え、雇用の調整弁になってきた経緯がある」と指摘。その上で「為政者が男女間格差是正の政策が世界水準から相当遅れていることを認識していない」と危機感を示した。

 貧困の生活相談に応じる同市北区の「わっぱの会」による報告もあった。ドメスティックバイオレンス(DV)被害に遭い、夫と離婚できない母子家庭は、世帯単位の支援制度が弊害となり給付金を受け取れず、子どもの保育園の送迎で車を手放せないため生活保護も受けられないといった制度のはざまにいる事例を紹介した。 (塚田真裕)

(2021年8月23日 中日新聞朝刊県内版より)

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