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大学野球  スポーツ  2021.06.05

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合言葉「ジャイアント・キリング」 岐阜聖徳学園大 19年ぶり全日本大学野球出場 

全日本選手権に向け、練習前にミーティングする岐阜聖徳学園大の木村主将(左)ら=岐阜市鶉の聖徳学園野球場で

全日本選手権に向け、練習前にミーティングする岐阜聖徳学園大の木村主将(左)ら=岐阜市鶉の聖徳学園野球場で

 岐阜聖徳学園大(岐阜市)が、7日に東京で開幕する全日本大学野球選手権大会に19年ぶりの出場を果たす。県内リーグは4位だったが、上位3校が部員の新型コロナウイルス感染を理由に辞退したために巡ってきた5月22日の東海地区春季選手権(長良川球場)を制した。「大物食い」を意味する「ジャイアント・キリング」を合言葉に、木村慎太主将(4年)は「泥くさく相手に食らい付き、日本一を目指す」と誓う。(長屋文太)

■7日初戦 木村主将「全員で攻め」

 「チャレンジャーのつもりで挑んで、のびのびできたのかな」。木村主将は番狂わせを起こした東海選手権を振り返る。

 岐阜、静岡、三重各県のリーグ1位が出場できる同選手権は、岐阜で1~3位だった中部学院大、中京学院大、朝日大が辞退。4位ながら出場権を得た大会で、静岡代表の日大国際関係学部に完封勝ち。三重代表の皇学館大戦は、同点で迎えた9回に相手の野選で勝ち越して連勝を飾り、全国切符をつかんだ。

 「勝利に感極まった」と喜んだものの、3県の代表になった責任の大きさを感じ、木村主将は「数時間後には気持ちを切り替え『日本一になるため強くなろう』と呼び掛けた」という。

 小山貴本監督(40)は全国大会が決まった瞬間を「夢見心地でした」と振り返る。前回、同校が全日本に出た2002年時の主将。その後コーチを9年、監督を10年務め、再び全国を目指していたが、思わぬ形で夢がかなうことになった。

 部員は練習前後のマスク着用徹底、練習時間の短縮、繁華街への出入り禁止など、厳しいコロナ対策に取り組んできた。小山監督は「各校とも対策をしっかりやっているが、部員全員が気を引き締めて体調管理をしてくれた」とねぎらう。

 好調なチームを支えるのが打線だ。県リーグで首位打者に輝いた反頭樹騎也(たんどうじゅきや)選手、牧内大斗選手(ともに3年)ら頼れる中軸に加え、1番打者の大野修平選手(4年)が足を使って得点に絡む。「隙を突ける野球を目指している」(小山監督)と言う通り、バントや走塁練習にも力を入れる。

 左腕エース橋本達也投手(3年)の成長も著しい。日大国際関係学部戦では初完封を飾り、球速も140キロ台を記録した。橋本投手は「行ける、と思わせられる投球を見せたい」と話す。

 スローガンの「ジャイアント・キリング」は年初に、4年生で話し合って決めた。18年以来、東海地区選手権から遠ざかっていたチームの現状を踏まえ、「格上相手に一戦一戦全力で向かおう」と気合を込め、バックネット裏にスローガンを掲げた。

 東京ドームで7日にある初戦の相手は、パ・リーグで2年連続本塁打王に輝いた山川穂高選手(西武)らプロを多数輩出する北東北地区代表の富士大(岩手)だ。守備でリズムをつくり、センター中心に積極的に打ち返す戦略で勝利を目指す。木村主将は「アグレッシブに全員で攻めていきたい」と意気込んでいる。

(2021年6月5日 中日新聞朝刊岐阜総合版より)

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