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中日新聞掲載の大学記事

お知らせ  2021.02.12

慢性的痛み「多職種で対応重要」 ケアの最前線医療関係者ら学ぶ 名市大オンライン特別講演会

オンライン配信で開催された慢性痛患者に関する講演会=瑞穂区の名古屋市立大で

オンライン配信で開催された慢性痛患者に関する講演会=瑞穂区の名古屋市立大で

 慢性的な痛みに苦しむ人を支える医療人材を育成しようと、名古屋市立大は11日、オンラインで特別講演会を催した。文部科学省から受託した5年間の人材養成プロジェクトの一環で、医療関係者ら約150人が参加。慢性的な痛みのケアの最前線を学んだ。

 けがなどの一時的な痛みとは異なり、3カ月以上続く慢性的な痛みは、頭痛や腰痛など症状がさまざまで、原因不明なものが多い。精神的な要因が痛みを増幅するケースもよく見られるという。

 講演会では、プロジェクトリーダーの明智龍男教授が「医師や臨床心理士、理学療法士など多職種が関わるアプローチが重要だ」と強調。精神面のケアも含めたカリキュラムをつくり、医療人材を育成する重要性を説明した。痛みの治療を担う同大「いたみセンター」の幹部も講演し、取り組み状況を説明。薬物で痛みを取り除くことのみを重視するのではなく、痛みを受け入れながら生活の質を向上させる新たな治療手法を紹介した。

 愛知医科大「学際的痛みセンター」の牛田享宏教授を招いての特別講演も。国民の15%が慢性的な痛みを抱えているというデータを挙げながら、「治療だけでなく、国民に向けた教育啓発も必要になる」と今後の課題を語った。 (石井宏樹)

(2021年2月12日 中日新聞朝刊市民版より)

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