進学ナビ

HOME > 中日新聞掲載の大学記事 > お知らせ

中日新聞掲載の大学記事

お知らせ  学生活動  2020.07.30

授業“硬派”に評価 名大生サイト注目 コロナ… 悩める学生の情報源

授業の投稿サイト「楽単らくだ」を運営する名古屋大院生の神野悦太郎さん(左)と小野瀬良佑さん=名古屋市中区で

授業の投稿サイト「楽単らくだ」を運営する名古屋大院生の神野悦太郎さん(左)と小野瀬良佑さん=名古屋市中区で

 名古屋大(名古屋市千種区)の授業を学生が評価する投稿サイトが、新型コロナウイルスの影響でアクセス数を伸ばしている。コロナ禍で授業がオンライン中心となり、学生同士がじかに会って授業について情報交換するのが難しくなったことが背景にありそうだ。サイトの名前は「楽単(らくたん)らくだ」。いかに楽に単位を取るかのノウハウもあるが、意外に、授業内容をまじめに論じた硬派な投稿も多いという。 (芦原千晶)

 「名前からして、楽をしたい学生向けと思われがちですが、それだけではないんです」。運営する情報学研究科の大学院生、神野悦太郎さん(26)と小野瀬良佑さん(27)は苦笑しながら話す。

 講義名や先生の名前で検索することが可能。授業の感想、成績の評価方法や授業内容の良しあし、単位の取りやすさなどが、グラフも交えて記されている。

 学生からの投稿数は計1万件以上。「非常に楽でお薦め」といったものもあるが、「英語の論文を週1ペースで読み、まとめ、発表する授業。今後のことを考えれば為(ため)になるが、大変」「社会人になった時に役立ちそうなことが多く面白い」などと、まじめな内容も多い。

 「楽単らくだ」は昨夏に開設したが、「ブラックリスト」という前身のサイトがあった。その運営を7年前から引き継いだ小野瀬さんは、「当時は単位の取りやすさや教員への悪口が目立っていたが、誹謗(ひぼう)中傷などを削除し、履修選択に役立つ良質な情報を提供するように改良してきた」と胸を張る。

 今春はさらに注目された。新型コロナで通学が禁じられ、授業はオンラインに。学生同士の交流や情報交換もしづらい状況で、工学部1年の男子学生(18)は「相談できる友人もおらず、どの授業を取ればよいか困っていた。楽単らくだで実際に授業を受けた人の感想が読めて助かった」と語る。実際に春の履修登録時は、1カ月で約8800人が閲覧。昨秋の履修登録時から2.5倍に急増したという。

 2人は手応えを感じ、7月に南山大(同市昭和区)でも同様なサイトを開設し、今後は全国の大学にも広げていきたいという。良い投稿などにポイントを授け、大学近くの飲食店の割引サービスと連動させるといったビジネス展開も目指す。授業評価サイトは、楽天の「みんなのキャンパス」などが有名だが、神野さんらは「楽単らくだが一番と言われるようになりたい」と意気込んだ。

(2020年7月30日 中日新聞夕刊9面より)

戻る < 一覧に戻る > 次へ