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スポーツ  2019.12.18

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日本のエースで先輩 吉永 追いつけ追い越せ 中京大 井上瑠汰 スピードスケート ショートトラック

W杯メンバー入りなど今後の飛躍を目指す井上瑠汰=愛知県豊田市の中京大アイスアリーナで(川越亮太撮影)

W杯メンバー入りなど今後の飛躍を目指す井上瑠汰=愛知県豊田市の中京大アイスアリーナで(川越亮太撮影)

■22日開幕の全日本選手権へ手応え!! W杯メンバー入り目標

 今年4月に中京大に入学したスピードスケート・ショートトラック男子の井上瑠汰(19)が着々と実力を蓄えている。シニアでのW杯出場メンバーに選ばれた経験はないが、22日に開幕する全日本選手権(長野・帝産アイススケートトレーニングセンター)でアピールする決意。中京大では1学年上の先輩である日本ショートトラック界のエース・吉永一貴(20)の背中を追いかけて、さらなる実力アップを目指していく。

■同じリンクで汗 格好のお手本に

 虎視眈々(たんたん)と目標を見据える。3種目に出場する予定の全日本選手権に向けて入念な最終調整を続けている井上。この大会は今季前半のヤマ場となるだけに、気持ちは当然、高ぶる。

 「成績があまり良くなかった全日本距離別選手権の時と比べると、練習でのタイムもよくなっているし、格段に力がついているような感じがする。全日本選手権ではやれそうかなと思います」

 小学1年の時に始めたショートトラックの魅力を「単純に面白い。自分がやっていて面白いし、他の選手を見ていても面白い」と語る。今は成長に向けた課題を見つけて、練習を通じて克服する毎日だが、格好のお手本となる選手が身近にいる。中京大のリンクで一緒に汗を流す吉永だ。

 2人は2018年3月に行われた世界ジュニア選手権(ポーランド)の男子3000メートルリレーで金メダルを獲得したメンバー同士。先に中京大に進んだ吉永は昨季のW杯第1戦・カルガリー大会で優勝し、今年1月の全日本選手権でも2年連続3度目の総合優勝を達成した。追い掛けて同じ大学に進んだ井上は大きな影響を受けている。

 「吉永さんはウエートトレとかでもスケートにつながる動きをするのが上手です。自分も常にレースを想定して準備をしなければと思います」

 そんな井上の心には危機感がある。W杯第3戦の名古屋大会では18歳の林伊吹(長野・地球環境高)が男子1500メートルで銅メダルを獲得。16歳の宮田将吾(大阪・大商大高)も決勝に進んだ。ナショナルチーム入りに向けた競争が激しくなっているだけに、「自分もやらなきゃ…」と練習にも熱が入っている。

■北京五輪も意欲

 今の目標はW杯のメンバーに入ること。世界で戦うことが2022年北京冬季五輪へつながると信じる。練習に加えて、自炊している食事の量を増やすことでパワーをつけようとも考えている。「得意な1500メートル以外の素質もあるとよく言っていただけるんですが、開花させることができるかは自分次第なんだと思います」。レース終盤の周回で勝負する自らの滑りを磨いて、ライバルたちに立ち向かっていく。 (川越亮太)

 ▼井上瑠汰(いのうえ・りゅうた) 2000(平成12)年5月16日生まれ、福岡市出身の19歳。169センチ、62キロ。小学1年でショートトラックを始める。福岡・沖学園高在学中の18年1月に行われた全日本ジュニア選手権(東京)の男子1500メートルスーパーファイナル優勝。総合でも2位となった。中京大進学後は10月の全日本距離別選手権(長野)の男子1500メートルで9位。11月の全日本選抜選手権(神戸)では男子3000メートルで優勝した。

(2019年12月18日 中日スポーツ9面より)

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