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2010.04.16
昼は社長業 夜は学究 還暦で経営学修士号 春日井・木野村さん 中部大院
■住宅産業変遷に自社の軌跡重ね 論文で若手に提言
創業した建設会社の社長を務める傍ら、2年前から中部大大学院で学んできた春日井市勝川町の木野村好己さん(60)が今春、修士課程(経営学専攻)を修了し、学位を得た。15日夜、親しい知人らに「祝う会」を開いてもらった木野村さんは、経営者と学生の2つの立場で学べたことを「後進の若手経営者に伝えていきたい」と話した。(谷知佳)
「実践はあるが理論を知らない」との思いで、還暦を前に「経営の理論を学びたい」と学究の道に飛び込んだ。
30年前、勤務先の倒産を契機に今の会社を立ち上げた経緯から「倒産は悲劇」と実感していた。そして、社員300人とその家族を抱える立場になってからは常に「経営者がしっかりせなあかん」と考え「理論を学ぶことで問題も乗り越えられる」と決意した。
春日井市内の職場で仕事を終えた夜間、週に3、4日ずつ通い、わが子ほども年の離れた20〜30代の学生に交じって経営政策やマーケティングなどを学んだ。「仕事で疲れても、学ぶことが楽しくてやめたいと思ったことはなかった」
修士論文では、自社の軌跡を重ねて住宅産業の変遷を追い、経営活動の問題点を探った。「失敗は敗北ではない」「経営者は借金する度胸と覚悟を持つこと」などと若手経営者への提言をまとめた。「慣れない論文作りには骨が折れたが、完成した時の喜びや達成感はひとしおだった」と振り返る。
晴れ舞台の学位授与式の通知は今も大切に保管している。「学生たちの中でも一番勉強したと自信がある。いくつになってもあきらめずにやれば何でもできる。一生挑戦、一生青春です」と目を輝かせた。
(2010年4月16日 中日新聞朝刊近郊版より)
創業した建設会社の社長を務める傍ら、2年前から中部大大学院で学んできた春日井市勝川町の木野村好己さん(60)が今春、修士課程(経営学専攻)を修了し、学位を得た。15日夜、親しい知人らに「祝う会」を開いてもらった木野村さんは、経営者と学生の2つの立場で学べたことを「後進の若手経営者に伝えていきたい」と話した。(谷知佳)
「実践はあるが理論を知らない」との思いで、還暦を前に「経営の理論を学びたい」と学究の道に飛び込んだ。
30年前、勤務先の倒産を契機に今の会社を立ち上げた経緯から「倒産は悲劇」と実感していた。そして、社員300人とその家族を抱える立場になってからは常に「経営者がしっかりせなあかん」と考え「理論を学ぶことで問題も乗り越えられる」と決意した。
春日井市内の職場で仕事を終えた夜間、週に3、4日ずつ通い、わが子ほども年の離れた20〜30代の学生に交じって経営政策やマーケティングなどを学んだ。「仕事で疲れても、学ぶことが楽しくてやめたいと思ったことはなかった」
修士論文では、自社の軌跡を重ねて住宅産業の変遷を追い、経営活動の問題点を探った。「失敗は敗北ではない」「経営者は借金する度胸と覚悟を持つこと」などと若手経営者への提言をまとめた。「慣れない論文作りには骨が折れたが、完成した時の喜びや達成感はひとしおだった」と振り返る。
晴れ舞台の学位授与式の通知は今も大切に保管している。「学生たちの中でも一番勉強したと自信がある。いくつになってもあきらめずにやれば何でもできる。一生挑戦、一生青春です」と目を輝かせた。
(2010年4月16日 中日新聞朝刊近郊版より)