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2010.04.16
東海地区大学野球 岐阜学生リーグ 中京学院大に未完大器
■プロも注目する“暴れ馬” 148キロ右腕池ノ内
東海地区大学野球の岐阜学生リーグに快速王がいる。中京学院大(岐阜県中津川市)の池ノ内亮介投手(4年)は今春リーグ戦で最速148キロをマークするなど、剛球右腕としてプロにも注目される存在。ただし、制球に難点があり、秋のドラフト指名対象に入ってくるかは微妙だ。
■課題は制球力
球速だけなら、全国の大学生投手でトップクラス。ところが制球が定まらない。池ノ内は暴れ馬のようだ。それでもフルカウント・ピッチングを繰り返しながら抑えていくのだ。
「スピードよりも、質のよいストレートを本当は投げたい。コントロールをよくしなければいけないと肝に銘じてはいるんですが…」と本人は苦笑する。今春の東海地区大学野球岐阜学生リーグの朝日大相手の2回戦(11日)は9三振を奪って1失点完投で今季初勝利をマークしたが、四球は5個もあった。常時144キロの快速球を主体に押しまくり、150球近くも投げたが、ラストはこの日の最速である148キロ。長良川球場の電光掲示板に刻みつけた。角張った顔が、中日のエースだった川上憲伸(現ブレーブス)とよく似ている。「顔はともかく、プレーをケンシンさんに近づけないといけない」。
■竜もマーク
最近の大学野球は、地方リーグから逸材が飛び出すことが多いから、プロも池ノ内を無視できなくなった。しかし評価が難しい。「要らない力が入って、自分で勝手にバランスを崩すんですよね。いつでもストライクをとれる投手ならいいが、あれだけボールが多いと…。でも、あの球速はスゴい。要注意です」と中日・中原スカウトは少し困っていた。
岐阜・中京高時代は主に外野手で、大学で本格的に投手を始めて頭角を現したが、今も各カード2回戦での先発要員。1回戦は高校時代からの同期で、エース格の小島が先発を務める。「2人で刺激し合いながらやっているので、別に2回戦(登板)で構わない」と池ノ内はエースの座にはこだわっていない。進路の話になっても「プロ? いまは考えていない。なるようになるのでは」と話し一般企業への就職活動もしていないという。
■津田さん目標
目指す投手には、広島で炎のストッパーと呼ばれた故・津田恒美投手の名を挙げた。「ビデオでしか見たことはないが、気持ちで投げる姿がカッコいい」。岐阜学生リーグの快腕が、スピードを武器にした津田の再来になれるか。 (阿知波浩二)
■竜2軍を直球斬り
池ノ内は1年生だった2007年11月に、岐阜学生リーグ選抜の一員として中日ファームと練習試合で手合わせしたことがある。中日の若手打者を相手に全部ストレート勝負で3者凡退に。この時にマークしたのが、“自己最速”の151キロ。中日・高橋三千丈投手コーチ(現韓国プロ野球のLGツインズ投手コーチ)が「スゴい球を放るな」と目を丸くした。
▼池ノ内亮介(いけのうち・りょうすけ) 1988(昭和63年)11月3日、三重県伊賀市生まれの21歳。177センチ、75キロ、右投げ右打ち。中学時代は硬式の少年野球ボーイズリーグの「伊賀ボーイズ」に所属して、主に遊撃手。岐阜・中京高では3年春に背番号「9」をつけてレギュラー外野手になったが、最後の夏は控えメンバー。高校の同期生には、横浜・高森勇気内野手(高校時代は捕手)、巨人の育成選手だった大抜亮祐投手(現巨人打撃投手)がいる。大学では1年から公式戦登板。
【注目選手】 東海地区大学野球春季リーグ戦(中日スポーツ後援)は岐阜学生、三重学生、静岡学生の3県リーグで開催されている。岐阜では岐阜聖徳学園大の左腕・高橋朋己投手(4年・加藤学園)、三重では三重中京大・阿部一也投手(4年・徳島工)、浜松大・星山広宣投手(4年・豊橋中央)が好投手として注目されている。
(2010年4月16日 中日スポーツ11面より)
東海地区大学野球の岐阜学生リーグに快速王がいる。中京学院大(岐阜県中津川市)の池ノ内亮介投手(4年)は今春リーグ戦で最速148キロをマークするなど、剛球右腕としてプロにも注目される存在。ただし、制球に難点があり、秋のドラフト指名対象に入ってくるかは微妙だ。
■課題は制球力
球速だけなら、全国の大学生投手でトップクラス。ところが制球が定まらない。池ノ内は暴れ馬のようだ。それでもフルカウント・ピッチングを繰り返しながら抑えていくのだ。
「スピードよりも、質のよいストレートを本当は投げたい。コントロールをよくしなければいけないと肝に銘じてはいるんですが…」と本人は苦笑する。今春の東海地区大学野球岐阜学生リーグの朝日大相手の2回戦(11日)は9三振を奪って1失点完投で今季初勝利をマークしたが、四球は5個もあった。常時144キロの快速球を主体に押しまくり、150球近くも投げたが、ラストはこの日の最速である148キロ。長良川球場の電光掲示板に刻みつけた。角張った顔が、中日のエースだった川上憲伸(現ブレーブス)とよく似ている。「顔はともかく、プレーをケンシンさんに近づけないといけない」。
■竜もマーク
最近の大学野球は、地方リーグから逸材が飛び出すことが多いから、プロも池ノ内を無視できなくなった。しかし評価が難しい。「要らない力が入って、自分で勝手にバランスを崩すんですよね。いつでもストライクをとれる投手ならいいが、あれだけボールが多いと…。でも、あの球速はスゴい。要注意です」と中日・中原スカウトは少し困っていた。
岐阜・中京高時代は主に外野手で、大学で本格的に投手を始めて頭角を現したが、今も各カード2回戦での先発要員。1回戦は高校時代からの同期で、エース格の小島が先発を務める。「2人で刺激し合いながらやっているので、別に2回戦(登板)で構わない」と池ノ内はエースの座にはこだわっていない。進路の話になっても「プロ? いまは考えていない。なるようになるのでは」と話し一般企業への就職活動もしていないという。
■津田さん目標
目指す投手には、広島で炎のストッパーと呼ばれた故・津田恒美投手の名を挙げた。「ビデオでしか見たことはないが、気持ちで投げる姿がカッコいい」。岐阜学生リーグの快腕が、スピードを武器にした津田の再来になれるか。 (阿知波浩二)
■竜2軍を直球斬り
池ノ内は1年生だった2007年11月に、岐阜学生リーグ選抜の一員として中日ファームと練習試合で手合わせしたことがある。中日の若手打者を相手に全部ストレート勝負で3者凡退に。この時にマークしたのが、“自己最速”の151キロ。中日・高橋三千丈投手コーチ(現韓国プロ野球のLGツインズ投手コーチ)が「スゴい球を放るな」と目を丸くした。
▼池ノ内亮介(いけのうち・りょうすけ) 1988(昭和63年)11月3日、三重県伊賀市生まれの21歳。177センチ、75キロ、右投げ右打ち。中学時代は硬式の少年野球ボーイズリーグの「伊賀ボーイズ」に所属して、主に遊撃手。岐阜・中京高では3年春に背番号「9」をつけてレギュラー外野手になったが、最後の夏は控えメンバー。高校の同期生には、横浜・高森勇気内野手(高校時代は捕手)、巨人の育成選手だった大抜亮祐投手(現巨人打撃投手)がいる。大学では1年から公式戦登板。
【注目選手】 東海地区大学野球春季リーグ戦(中日スポーツ後援)は岐阜学生、三重学生、静岡学生の3県リーグで開催されている。岐阜では岐阜聖徳学園大の左腕・高橋朋己投手(4年・加藤学園)、三重では三重中京大・阿部一也投手(4年・徳島工)、浜松大・星山広宣投手(4年・豊橋中央)が好投手として注目されている。
(2010年4月16日 中日スポーツ11面より)