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中日新聞掲載の大学記事

2010.04.15

大同大旋風起こす!

■18日開幕 東海学生ハンドボールリーグ女子2部に初参戦
 昨年は部員集まらず断念 6人入部 最少チームで挑戦

 18日に開幕する東海学生ハンドボールリーグの女子2部に大同大(名古屋市)が初参戦する。昨年は部員が集まらずにリーグ戦参加を見送ったが、今年は新入生6人が入部。24歳以下(U−24)の女子日本代表でヘッドコーチも務める斉藤慎太郎監督(44)の下、唯一の2年生、小林智美主将が引っ張るチームは、1年での1部昇格を目指してスタートを切る。

■2部で優勝!!1部昇格意欲 5人いればできる

 7人でプレーするハンドボールで、大同大の女子部員は7人。しかも左足首を痛めている飯野は開幕に間に合わない。規定では5人いれば試合は成立するため、棄権はしない。6人で開幕戦に臨む大同大。創部早々いきなりのピンチだが、斉藤監督は「目標は2部優勝。入れ替え戦に勝ち、1年で1部に昇格したい」と明確な目標を掲げる。

 大同大は大同特殊鋼が主に出資する大同学園が運営する。男子は昨秋のリーグ戦を制した。

 女子部創設は北京五輪の最終予選でハンドボールが注目された2008年に構想が持ち上がり、09年度からのリーグ参戦を目指した。だが、部員が集まらなかった。全国の高校を回り、部員集めに奔走した斉藤監督は「工業大に女子はなかなか来ないですよね」と振り返る。当時の校名は大同工大(09年4月に名称変更)だった。

 結局、09年度に入部したのは2人。試合どころか、練習もままならず、ハンドボールをするために進学した小林は「まさか」と絶句した。唯一のチームメートも「試合がしたい」と大学を辞め、小林も「正直、辞めようと思った」という。斉藤監督や家族の支えもあり、退学だけは思いとどまったが、ストレスから過食症気味になり、1年で体重は約20キロも増えた。

■監督北へ南へ奔走

 一方の斉藤監督。大学、代表の仕事の合間に再び勧誘に走り回った。東海地区にとどまらず、北は秋田、南は宮崎まで足を伸ばした。情報学部にスポーツ情報専攻コースの新設もあり、やっと新入生6人の入部にこぎ着けた。

 新入生が口々に進学理由に挙げるのが抜群の練習環境だ。専用の体育館に加え、屋外にも専用コートがある。ソフト面も充実しており、選手は大学が契約するトレーナーの下、毎日体重などを量り、けがの防止や体調管理に万全を期す。

 斉藤監督は体力測定の結果を各年代の日本代表チームと比べて、足りない点を指摘している。神奈川・横浜創英高から入学した島田は「いろんな指導法を知っている人」と監督に信頼を寄せる。週1回、大同特殊鋼などが開催する小中学生対象のハンドボールスクールを手伝う選手たち。ここで日本のトップレベルのプレーを目の当たりにする機会も多い。 

 3月には2週間の合宿を行い、チームワークも上々。持ち前の明るさで後輩たちを引っ張る小林は「仲間ができたのがうれしい。勝つ楽しさを共有したい」。島田も「1、2年生のチームだから(大したことない)とは言われたくない」と意欲を燃やす。若き少人数チームが東海の学生ハンドボール界に新風を吹き込む。 (高橋雅人)

■早くけが治して… 桜花出身・飯野

 斉藤監督が期待を寄せるのが桜花学園出身の飯野だ。昨年は愛知県代表として、国体にも出場。関東の大学への進学も考えたが、斉藤監督の話を聞き「最初から自分たちのチームがつくれるのは魅力」と大同大を選んだ。高校時代に手術した左足首のけがで開幕戦は間に合わないものの「早く治して1部昇格に貢献したい」と意気込んでいる。

■東海学生女子ハンドボールリーグ

 春、秋の2季制で、1部は中京、至学館、東海学園、岐阜、愛知教育、名古屋文理の6校、2部は南山、岐阜聖徳学園、皇学館、名古屋市立、常葉学園、愛知、日本福祉、大同の8校で構成する。1部の最下位校と2部の優勝校が入れ替え戦を行う。レベルはまだ高くなく、東海勢の全日本学生選手権での優勝もいまのところない。

(2010年4月15日 中日スポーツ11面より)
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