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中日新聞掲載の大学記事

お知らせ  2019.07.23

馬の知性 調べてみた 霊長類学者・松沢さん 関で講座 チンパンジー研究を応用

馬を題材にした研究の成果を話す松沢さん=関市の中部学院大で

馬を題材にした研究の成果を話す松沢さん=関市の中部学院大で

 霊長類学者松沢哲郎さんの公開講座が、関市の中部学院大関キャンパスであった。テーマは霊長類研究の手法を馬に応用した研究で、学生ら200人が聴講した。(鈴木太郎)

 松沢さんは同大客員教授。京都大霊長類研究所(愛知県犬山市)でのチンパンジーの知性を調べる研究で知られ、日本モンキーセンター(同市)の所長を務める。

 講座ではまず、チンパンジーが訓練で、モニターに映し出された数字を小さい順に押せるようになった事例を紹介。海外で講演した際、「馬でも訓練できるかやってほしい」と現地の研究者に言われ、対象を馬に広げた。「類人猿より前に祖先が分かれた馬を研究することで、人類の進化の過程がより明らかにできる」と説明した。

 これまでに、馬が正解するとニンジンを与える実験で、白いモニターに映し出された点の大きさや形、数などを識別させることに成功した。宮崎県の都井岬やポルトガルで野生化した馬を調査し、1頭の雄と多数の雌からなるハーレムや、雄のみの群れがあることも突き止めた。実験結果を映像や写真で解説し「馬にも社会構造や大きさの概念がある」と話した。

(2019年7月23日 中日新聞朝刊中濃総合版より)

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