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中日新聞掲載の大学記事

2010.03.25

中京大元Jリーガーコンビ 中田・石原 夢舞台再び

■28日・国立 大学日韓戦へ「全日本選抜」入り…プロへの道

 デンソーカップ第7回日韓大学定期戦(28日・国立競技場)に臨む全日本学生選抜に、中京大サッカー部からDF森本良(3年)、DF中田智久(2年)、MF石原卓(1年)の3選手が選ばれた。中田は神戸、石原は横浜Mに在籍経験がある元Jリーガーの異色選手。一度はプロの壁にはね返されたが、挫折を乗り越え大学サッカーで再び夢に挑む。大学選抜は現在オーストラリアで強化合宿中。26日に帰国して試合に備える。

■2年で戦力外

 元Jリーガーは、大学選抜入りを素直に喜んだ。中田は「うれしい。高校時代はこういう機会に縁がなかったから」と声を弾ませ、石原は「以前選ばれたU−20(20歳以下)日本代表候補では手応えを感じられなかった。今度はどうなるか楽しみ」と目を輝かせた。

 2人は各地域選抜で競うデンソーチャレンジカップ(5〜7日・西都)で東海・北信越選抜に優勝をもたらした活躍が認められ、森本と共に全日本大学選抜22人に名を連ねた。特に中国・四国選抜との決勝戦、先制点は石原のCKから中田が先制のヘディングシュートを決めたものだった。

 大学選抜は、いわばプロ予備軍。その中で「元Jリーガー」の肩書を持つ2人は異色の存在だ。中田は中京大中京高から06年に神戸へ、同校で1年後輩の石原も07年に横浜Mへそれぞれ入団した。しかし、2人ともJ1の舞台に立つ夢はかなわなかった。ともにわずか2年で戦力外通告の憂き目にあった。

 若くして経験したプロの厳しさ。地元へ戻り、大学サッカーから再出発する道を選んだ。石原は「自分にとって何が大事か。現役生活より引退後の人生の方が長い。だから教職も取りたい。実力がつけばまたプロでできるかもしれないけど、まだ4年ある」と冷静に話す。自分を見つめ直す4年間。その先はまだわからない。ただ、再びプロに挑戦することも決してあきらめてはいない。

 今年の大学選抜はプロ注目の好素材が多くそろう。FW永井(福岡大3年)とDF山村(流通経大2年)は、1月のイエメン戦で日本代表デビューも果たしたほど。多くのスカウトが視察に訪れる大学日韓戦で活躍すれば、自然と“J”へのチャンスは広がっていく。

 中田は言う。「自分にとっては遠回りじゃなくて、決められていた道。まずは大学で一生懸命やって、チャンスがあればまた上を目指したい」。日本サッカーの聖地で、日の丸を背負ってプレーする晴れ舞台。国立競技場が、夢への一里塚となる。 (塚田陽一郎)

■プロへアピール DF森本

 昨年のユニバーシアード大会に続く大学選抜のDF森本は、今回の日韓戦で“就職活動”に励む。4月から最終学年を迎えるが、卒業後の進路をプロ1本に絞っているといい「ただ、まだ正式な話は来ていない。国立でやれるし、試合に出てしっかりアピールしたい」と意気込んだ。

 グランパスの下部組織出身で、DF吉田麻也(現VVVフェンロ)と同期生。その存在に刺激を受け、自らも高い意識で鍛錬に励む。「持ち味のフィジカルや1対1の守備は3年間で力が付いてきた。課題は組み立て。パスの精度を磨きたい」。デンソーチャレンジでは中田とのセンターバックコンビで堅守を築き、攻めても2得点の活躍でMVPに輝いた。その自信を胸に、韓国攻撃陣に立ちはだかる。

 ▼中田智久(なかた・ともひさ) 1987(昭和62)年5月11日生まれの22歳。名古屋市出身。182センチ、74キロ。ポジションはDF。中京大中京高から06年神戸入り。07年オフに戦力外。08年から中京大サッカー部。空中戦に強さを発揮する長身センターバック。

 ▼石原卓(いしはら・たく) 1988(昭和63)年10月3日生まれの21歳。名古屋市出身。177センチ、70キロ。ポジションはMF。中京大中京高から07年に横浜M入り。08年7月から徳島へ期限付き移籍し、同年オフに戦力外。09年から中京大サッカー部。J2通算1試合0得点。U−20日本代表候補に選ばれたこともあるレフティー。

 ▼森本良(もりもと・つかさ) 1988年(昭和63)6月24日生まれの21歳。名古屋市出身。177センチ、73キロ。ポジションはDF。グランパスU−18から中京大に進学。一対一に自信を持つセンターバック。09年に大学選抜でユニバーシアード・ベオグラード大会3位。

(2010年3月25日 中日スポーツ14面より)
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