■東海社会人・愛知大学野球対抗戦　第１日（１７日・瑞穂）

　中京大とホンダ鈴鹿（三重）がそれぞれ勝利した。中京大は先発の左腕・大西洋輔投手（３年）＝成章高出＝が社会人を相手に６イニング１失点の好投。後続が打たれて終盤に追い上げられたが、８−７で王子製紙（愛知）を振り切った。ホンダ鈴鹿は５−１で愛工大に貫禄（かんろく）勝ちした。

■先発２番手　猛アピール

　主戦・上杉に続く先発２番手へ。中京大の大西が強烈にアピールした。昨年の都市対抗野球大会にも出場した王子製紙を相手に６イニングを被安打２の１失点。「６四球は反省点だけど、社会人を抑えたのは自信になる」。勝利の立役者は手応えを口にした。

　初回に２死満塁のピンチを切り抜けると、２、３、４回は３者凡退。６回は１死一、二塁から連続三振で締め「スクリューとチェンジアップをうまく使えた」と胸を張った。

　成章高時代の０６、０７年に２年連続でセンバツの２１世紀枠候補に挙げられながら最終選考で落選。母校は０８年に３度目の正直で出場を果たしたが、大西自身は甲子園に縁がなかった。大学進学後も華々しい活躍はできなかった。愛知大学野球での成績は３勝６敗。リーグ戦途中で先発から中継ぎに回されるなど悔しい思いをしてきた。

　だからこそ、来月３日に開幕する春季リーグにかける思いは強い。「２戦目の先発を勝ち取って、リーグ戦を通じて安定した投球ができるようにしたい」と意気込む。

　１戦目を任される上杉が計算できるだけに、２戦目が鍵になる中京大。村瀬耕次監督（５１）も「もう少しボール球が減れば」と大西に期待をかける。この日の好投でチャンスはさらに広がった。大西が今度こそ脚光を浴びる。　（高橋雅人）

中京大　　　　　０１１２００２２０―８
王子製紙（愛知）００００１００３３―７

愛工大　　　　　　０００１０００００―１
ホンダ鈴鹿（三重）０１００３０１０ｘ―５

（2010年3月18日　中日スポーツ12面より）