取り組みを発表する大学生たち＝中津川市加子母の「ふれあいのやかた　かしも」で

　林業や木工業が盛んな中津川市加子母地区で大学生が木造建築を学ぶ「かしも木匠塾」の閉校式が２８日、地区の研修交流施設「ふれあいのやかた　かしも」であり、学生が実習の成果を発表した。

　塾は１９９５年に始まり、今年は関西や中部の８大学から３００人が参加。１４日からの半月間、伝統的な建築技法の習得を目指し、地元工務店などの職人の指導で古民家の改修や、木の長所を生かした建物造りに取り組んだ。

　学生は写真を示しながら作業の様子を説明。「既存の建物に手を入れる難しさを知った」などと苦労や工夫を振り返った。夏祭りへの出店や間伐体験といった地域交流行事の報告もあった。

　実行委員長の中島紀于（のりお）さんは「ものづくりの良い経験ができたはず。加子母を心の古里にして、また足を運んでほしい」とあいさつ。学生の総幹事を務めた名城大理工学部４年の原田佳苗さん（２１）は「建築を学ぶだけでなく、加子母の人たちと深い交流もできた。これまでの塾の記録をまとめ、先につなげたい」と話した。（福本雅則）

（2018年8月31日　中日新聞朝刊東濃総合版より）