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中日新聞掲載の大学記事

2016.09.09

学生ら木材生産や伝統建築工法学ぶ 紀北でウッドプログラム

 東紀州の木材生産や伝統建築の工法などを学生に学んでもらう「地域材とものづくりを学ぶウッドプログラム」が6〜8日の3日間、紀北町内各所であった。三重大、愛知県立芸術大、東京芸術大、東京都市大から11人が参加。最終日は速水林業が経営する馬瀬のヒノキ林を歩き、生産過程に理解を深めた。(長崎高大)

 速水林業の速水亨代表が講師となり、講義とフィールドワークに同行。講義の中で、木材は唯一持続可能な資源であることや、国内で違法伐採材が多く出回っていて環境に影響を与えていることなどを学んだ。

 次いで1時間かけて山を歩き、植樹後の年数による大きさの違いや針葉樹と広葉樹の役割の違いを見聞きした。速水さんは「建築家も木材を使う以上、森に対して愛情を持って設計してほしい」と訴えた。

 彫刻などを学ぶ三重大大学院2年の前田海度(かいと)さん(23)は「林業への考え方に違いがあることを知った。違法伐採材の使用については、もっと倫理観を持たないといけないと思った」と話した。

 同プログラムは、NPO木の建築フォラム(東京都)、森林再生システム(同)、東紀州・尾鷲ひのきの会が連携し、国産材の積極的な活用を若手に求めようと林野庁の助成金を受けて実施。建築を専攻する学生だけでなく、デザインや美術を学ぶ学生も集まり、初日は製材所を見学し、2日目はヒノキテーブルを製作した。

(2016年9月9日 中日新聞朝刊くろしお版より)
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