進学ナビ

HOME > 中日新聞掲載の大学記事 > 全て

中日新聞掲載の大学記事

2016.03.23

「女性活躍」私がモデル

■東海東京FH 管理職が働き方発信

 東海東京証券(名古屋市)を傘下に持つ東海東京フィナンシャル・ホールディングス(FH)が「若手社員のお手本になってほしい」と、昨年10月に「ロールモデル」に指名した女性幹部職員6人が活動を本格化させた。女性の活躍推進に向け、結婚や出産、育児など自身の体験を社内向けに発信するだけではない。志のある女子学生の採用につなげようと、大学で講演もするなど活動は多岐にわたっている。(石原猛)

 1月中旬に岐阜女子大(岐阜市)が開いたパネル討論。「女性が働きやすい時代が来ている。子育てで学んだことは仕事にも生かせます」。東海東京FHダイバーシティ推進室長の岡田公代さん(40)がマイクを握り、2人の男児を育てる母親としての経験を女子学生たちに語りかけた。

 同席した東海東京証券八事支店長の久松玲子さん(41)も「男社会と思われがちな証券業界でも、女性ならではの細やかな対応が求められる」と女性の強みを説明、講義を聴いた学生たちを勇気づけた。

 東海東京FHはこれまでも、最大3年間の育休延長や育休中に受講できるインターネット研修など、女性が活躍できる職場づくりに取り組んできた。女性管理職の比率も2割近くまで伸びたが、若手の女性社員からは「実際にどのように資格や能力を身に付け、経歴を高めているのかイメージしづらい」との声も聞かれたという。

 そこで管理職の岡田さんや久松さんら女性社員6人をロールモデルに指名。職場や家庭での体験談をつづったパンフレットを作ったり、若手向けの研修会で講義をしたりして、自身の働き方を伝えることにした。大学での講演など社外の活動もしている。

 ロールモデルの任期は1年間にとどめる。顔触れを毎年変えることで、さまざまな働き方があることを見せるのが狙いだ。

 岡田さんは活動を通じて「若手の女性職員やこれから入社しようとする女子学生たちが、自身の将来を具体的にイメージできるようになれば」と力を込める。

 ロールモデル 考え方や行動の模範となる人物。社員が「あの人のようになりたい」と思える存在で、技能や知識を学ぶ対象にもなる。企業が女性活躍を推進するために、社内でロールモデルを育成して働き方などを伝える方法は、厚生労働省も推奨している。

(2016年3月23日 中日新聞朝刊9面より)

戻る < 一覧に戻る > 次へ