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中日新聞掲載の大学記事

2008.04.24

網膜治療、目薬届く 岐阜薬科大教授ら開発

微粒子使い注射不要に

 注射針を使わず、眼球奥の網膜や視神経への治療が可能となる目薬の製剤技術を、岐阜薬科大の竹内洋文教授(製剤学)と原英彰教授(薬効解析学)のグループが開発した。失明に至る危険のある糖尿病性網膜症や緑内障などの治療に応用でき、患者に負担が少ない治療法として期待されそうだ。

 眼球の奥の部分の治療は、点眼薬が届かないため、飲み薬や眼球から注射する治療法が一般的だ。しかし、飲み薬は薬剤が全身を巡るため副作用の危険があり、注射は眼球に針を刺すため患者の不快感が高い。

 竹内教授らは、これまでの技術を応用し、体の細胞膜と同じ成分のリン脂質で直径百ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)の球状の粒子を作ることに成功した。この粒子をマウスの目に点眼したところ、眼球奥まで到達することを確認した。

 粒子が眼球奥まで届く経路は不明だが、粒子自体、毒性はなく体内で分解されるため副作用はないという。このため、粒子の中に薬剤を詰めることで、眼球奥の患部に直接薬剤を到達させることができる。

 竹内教授らは「さらに有効性、安全性を確認し、ヒトで臨床研究を進めて実用化を目指したい」と話している。

(2008年4月24日 中日新聞朝刊1面より)

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