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中日新聞掲載の大学記事

2009.05.11

愛知大学野球 第6週 第2日(10日・瑞穂)

 首位の中部大が愛院大に連勝し、勝ち点を3とし、昨年に続く春連覇にまた一歩前進した。連敗した愛院大は優勝争いから脱落。優勝争いはこの日、東海学園大に連勝し、勝ち点を3とした中京大と中部大に絞られ、最終の第8週目の直接対決で優勝が決まる。

中部大・石川 神宮に立つのはオレ 初完封で春連覇へまた前進

 最後の打者を投ゴロに打ち取ると、中部大・石川歩投手(3年・滑川)は、クルリと背を向け、ナインに向かってガッツポーズした。眼下の敵である愛院大に4−0の完勝。連勝で春連覇をグッと近づけるとともに、自身もうれしいリーグ戦初完封を飾った。「完封は1度やってみたかったし、うれしいです。大事な試合で最初は緊張してたけど、途中で球も行くようになったし、7回ぐらいに意識しました」と満面に笑みを浮かべた。

 前日の1回戦を先勝し、迎えた愛院大戦。優勝争いの行方を左右する大事な1戦だけに、さすがに立ち上がりは緊張した。3回から6回まで毎回走者を背負ったが、捕手の道野が2度盗塁を刺してくれるなど、好守で援護。打線も相手先発・小川の乱調に乗じて2回に早々に3点を援護してくれた。終わってみれば、被安打わずか3本、三塁すら踏ませない投球。リーグ戦通算5勝目で、待望の完封劇だった。

 神宮への思いも石川の好投を支えた。リーグ戦初優勝して臨んだ昨年の大学選手権では準々決勝の東海大戦で初めて神宮のマウンドを踏んだ。自己最速の146キロをマークしたが、4番手の登板で、登板機会はわずか打者2人。「もう1度あのマウンドに立ちたい。次は先発してみたいです」。明確な目標として、心に刻んでいる。

 優勝争いは中部大と中京大に絞られた。23日からの最終第8週でその中京大との直接対決で勝ち点を取れば連覇と大学選手権出場が決まる。善久祐司監督(51)は「直接対決なら互いに全力でやれるし、楽しみ。願ってもない展開だし、いいゲームがしたい」と連覇への重圧は感じず、楽しんでいる様子。選手も同じで石川は「自分は中京大と相性(通算2勝0敗)もいいし、楽しみ。絶対に優勝して神宮に行きます」と高らかにV宣言してみせた。 (大久保晋)


 ◆愛大、愛工大が1部リーグ相手の入れ替え戦出場決まる 愛知大学野球2部リーグでは、愛大が開幕から無傷の8連勝を飾り、愛工大が8勝1敗1引き分けで、ともに勝ち点を4とし、今季の2位以内入りを決め、両校は6月6日からの1部リーグ下位校相手の入れ替え戦への出場権を獲得した。2部リーグの1、2位の順位は23日からの最終週、愛大−愛工大の直接対決で決まる。


完敗で優勝絶望的 愛院大

 逆転優勝を狙った愛院大だが、中部大に連敗し、優勝は絶望的となった。田中監督は「完敗です。一からやり直して、チームを立て直さないといけません」と0−4の完敗に、唇をかみしめた。先発したエース・小川はこの日も制球難で、2回途中までに5四球を与え、2失点で今季4敗目。開幕前にできたマメの影響で投げ込みが不足したことが、大きく響いている。「柱となるべき投手がこれでは優勝はできない。僕自身、起用に迷いがあるのも選手に悪影響を与えてると思う」と田中監督は反省を口にした。

直接対決でV狙う 中京大

 中京大は8−1で東海学園大に勝ち、連勝。勝ち点3として優勝争いに残った。今季初先発した上杉が被安打7、1失点の完投勝利。右肩の故障で、昨年1年間を棒に振ったが、一昨年秋以来のリーグ戦勝ち星に「長かったですね。もう投げられないんじゃないかと思った時期もありましたから」と感慨深げ。最終週の首位・中部大との直接対決に勝てば優勝が決まるが、「武藤もいるし、上杉が投げられたことは大きい。再来週が楽しみ」と村瀬監督は逆転優勝へ、意欲をのぞかせた。


(2009年5月11日 中日スポーツ朝刊13面より)

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