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中日新聞掲載の大学記事

2015.09.05

野球 U−18W杯 日本圧勝 米と決勝へ

 U−18(18歳以下)ワールドカップ(W杯)第8日は4日、甲子園球場などで2次リーグが行われ、日本は韓国に12−0の7回コールドゲームで大勝して4勝とし、2次リーグ1位通過で6日の決勝進出を決めた。相手は3連覇を狙う米国で、前回大会と同じ顔合わせとなった。

 日本は2回、伊藤(愛知・中京大中京)の適時三塁打で先制すると、篠原(福井・敦賀気比)の適時二塁打や津田(埼玉・浦和学院)の2点二塁打などで5点を奪った。5回にも打者10人の猛攻で6点を追加。投げては先発の上野(愛知・中京大中京)が丁寧にコースを突き、10奪三振で3安打完封した。

■上野の直球さえる

 上野が糸を引くような直球で日本を決勝進出に導いた。5点を先制した直後の3回2死一、二塁。内角に構えた捕手のミットが全く動かない直球で、3番打者を見逃し三振に仕留め「いけると思った。気持ちもそこで乗った」という。一度も三塁を踏ませず、4回以降は1安打しか許さなかった。

 直球は大半が130キロ台だが、韓国打線はバットに当てるだけで精いっぱいの様子だった。7回は全て直球を決め球に3者連続三振。計10奪三振に「点を取られないことを考えて投げた結果だと思う」と声を弾ませた。

■伊藤が口火 先制三塁打

 2回の猛攻が、日本のチーム力の高さを如実に物語った。1死一、三塁と絶好の先制機で一塁走者のオコエがけん制死。2死三塁となり、打席の伊藤は「ここで1点入らないと重い試合展開になる」。流れが変わりかねない場面だからこそ、集中力を高めた。

 ボール球を見極め、フルカウントからの7球目。外角の143キロの直球を捉えて右翼線へ先制三塁打を放ち、今大会初打点。「相手の配球は外中心。狙いを定めてコンパクトに打った」と捕手としての読みがさえた。

 先発上野とは中京大中京でバッテリーを組む。この日は一塁手での出場だったが、「僕のバットで助けたい」の一心が快打を生んだ。

 先制すれば、畳み掛けるのが持ち味で、続く篠原も適時二塁打。四球を挟んで津田の2点二塁打などで一気に5点を奪った。

 8月下旬に結成された急造チーム。それでも、大会を通じて成長を続けてきた。西谷監督は「けん制死というミスがあったが、その後に安打でつなげた。誰かをカバーすることができるようになってきた。チームらしくなってきた」と言葉に力を込めた。

 1次リーグから7連勝で決勝進出を決めた。初の自国開催で、目指す初優勝へ近づいた。(磯谷佳宏)

■オコエ、右太もも負傷

 日本代表のオコエ瑠偉外野手(東京・関東第一)が4日、韓国戦の6回の守備で打球に飛び込んだ際に右太ももに切り傷を負い、4針を縫った。経過次第だが、5日のキューバ戦、6日の決勝の出場には支障がない見通し。

(2015年9月5日 中日新聞朝刊25面より)

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