５日、名古屋市のパロマ瑞穂球場で開幕し、開会式に続いて１部の１回戦２試合を行い、日福大は愛院大に９−１、愛大は中部大に７−１で先勝した。

　日福大は１回に１点を先制すると、４回無死一塁から菅（４年、長野・上伊那農）のセーフティーバントなどで満塁とし、押し出しなどで２点を加えて序盤から試合を優位に進めた。愛大は３回に先制すると、４回に高森（２年、富山第一）が左越え２ランを放ち、突き放した。

■夏磨いたバント　好機広げ追加点

　次の１点が欲しい場面で日福大が選んだのはバントだった。４回無死一塁。長打力のある４番・菅に、ベンチはバントを指示した。菅は「チームで追加点を取るためなら」と素直に受け入れた。

　一塁方向を狙ったが打球は投手と一塁線の間へ。ふいを突かれた相手投手の捕球が遅れ、バント安打となった。後続の松尾（１年、愛知・大府）もバント。今春のベストナインに輝いた好打者だが、うまく三塁方向に転がすと今度は相手投手がボールを捕り損ね失策。２人で無死満塁の好機をつくり、打線は２点を加えて流れを確実にした。

　春は１試合平均得点が２．６４と６チーム中最下位。打率３割以上の打者もおらず、決定力に欠けていた。手堅く走者を進めて得点につなげるために、夏はバント専用ケージを設けて練習に取り組んだ。菅も松尾も「打順は関係ない。全員で点を奪いにいかないと」と力を込める。目標とする戦い方を明確に示し、開幕戦を勝利で飾った。　（平野梓）

▽パロマ瑞穂（日福大１勝）
日福大　１００２２０００４―９
愛院大　０００００００１０―１

▽同（愛大１勝）
愛大　００１３００２０１―７
中部大　００００１００００―１
本塁打　高森（愛）

（2015年9月6日　中日新聞朝刊市民版より）