日本学生選手権最終日が６日、浜松市総合水泳場などで行われ、競泳は女子２００メートル平泳ぎで世界選手権金メダルの渡部香生子（早大）が２分２２秒４１で１００メートルとの２冠に輝いた。男子４００メートル個人メドレーは瀬戸大也（早大）が４分１２秒１０で２００メートルに続く優勝を果たした。

　１００メートル自由形は、男子の中村克（早大）が大会新記録の４８秒５５、女子の内田美希（東洋大）が５４秒４７で制した。男子１００メートル背泳ぎは川本武史（中京大）が５４秒５８で２連覇。同２００メートル平泳ぎは小日向一輝（明大）が２分９秒０３で１００メートルと２種目制覇した。

　競泳の学校対抗は男子の明大が８６年ぶり３度目、女子の日体大は３年連続１７度目の頂点に立った。男子で２年ぶりの優勝を目指した中京大は２位だった。

■背負った代表の誇り

　中京大の３選手が並んでゴールへと加速する。男子１００メートル背泳ぎ決勝。勝ったのは真ん中、４コースの川本だった。「１番の目標は表彰台を独占すること。達成できてうれしい」。連覇を果たした３年生は、２人の先輩とともに満面に笑みを浮かべた。

　４位でターン。そこから追い上げ、ラスト勝負を制した。「きのう１００分の２秒差で負け、ふがいない思いだった。だからきょうは絶対に優勝したかった」。５日には、今夏の世界選手権にも出場した１００メートルバタフライの決勝で、僅差の３位に敗れていた。日本代表としての自負を、雪辱のレースにぶつけた。

　愛知県瀬戸市出身。愛知・豊川高時代には高校総体で１００メートル背泳ぎを連覇し、入江陵介（イトマン東進）を継ぐ存在として注目を集めた。中京大入学後、バタフライも急成長。今年はより日本代表に近いこの種目に重点を置き、見事に世界選手権への初切符をもぎ取った。

　大舞台で得た経験を糧に、目指すのはリオデジャネイロ五輪。バタフライ、そして背泳ぎでも代表入りをうかがう。「（代表選考会のある）４月の時点でしっかりと実力をつけて、五輪ではメダルが取れるように頑張りたい」。瀬戸や萩野公介（東洋大）と同学年の骨太スイマーは、真っすぐ来夏を見据える。

　（高橋隆太郎）

【男子】「競泳」
▽１００メートル自由形　中村克（早大）４８秒５５＝大会新
▽１５００メートル自由形　平井彬嗣（明大）１５分１１秒７２
▽１００メートル背泳ぎ　川本武史（中京大）５４秒５８
▽２００メートル平泳ぎ　小日向一輝（明大）２分９秒０３
▽４００メートル個人メドレー　瀬戸大也（早大）４分１２秒１０
▽８００メートルリレー　日大（小堀、小松、古田、大坂）７分１８秒０１
▽学校対抗得点　明大３５４「飛び込み」
▽高飛び込み　大塚千誠（日大）４００．３５点
▽学校対抗得点　日体大４２２０．０５

（2015年9月7日　中日新聞朝刊28面より）