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2015.08.29
CO2からアルコールへ 名大が新触媒 資源化期待
名古屋大大学院理学研究科の斎藤進教授(有機化学)らは、動植物の脂肪などに含まれるカルボン酸をアルコールに変化させる新たな触媒を開発した。カルボン酸は二酸化炭素(CO2)からも作ることができるといい、斎藤教授は「アルコールは医薬品や繊維原料などに使われており、将来的にはCO2を資源化したい」と話している。
カルボン酸は、酢に含まれる酢酸や食品添加物に使われる安息香酸などの化合物の総称。これまでアルコールに変換するには、一度別の物質に変化させなければならず、反応の過程で副生成物が多くできてしまうなどの問題があった。
斎藤教授らは、ルテニウムという金属をベースにした触媒を使って高温下で高い圧力をかけると、カルボン酸がアルコールに変わることを発見。この触媒に改良を加え、反応の過程で出るのは水だけで済む新たな触媒を開発した。
斎藤教授は「反応の原理が分かったので、応用を進めたい。CO2からカルボン酸を作る過程で副生成物の問題が残るが、そこをクリアすれば持続可能な社会に寄与できるだろう」と話す。成果は28日付の英電子版科学誌に掲載された。
(2015年8月29日 中日新聞朝刊29面より)
カルボン酸は、酢に含まれる酢酸や食品添加物に使われる安息香酸などの化合物の総称。これまでアルコールに変換するには、一度別の物質に変化させなければならず、反応の過程で副生成物が多くできてしまうなどの問題があった。
斎藤教授らは、ルテニウムという金属をベースにした触媒を使って高温下で高い圧力をかけると、カルボン酸がアルコールに変わることを発見。この触媒に改良を加え、反応の過程で出るのは水だけで済む新たな触媒を開発した。
斎藤教授は「反応の原理が分かったので、応用を進めたい。CO2からカルボン酸を作る過程で副生成物の問題が残るが、そこをクリアすれば持続可能な社会に寄与できるだろう」と話す。成果は28日付の英電子版科学誌に掲載された。
(2015年8月29日 中日新聞朝刊29面より)