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中日新聞掲載の大学記事

2015.05.21

地域愛たっぷり カタログ11点 名古屋ギフト 大学生が厳選

 名古屋市内の学生グループが、きしめんや有松絞など名古屋の名品を集めたカタログギフトを作った。「名古屋の魅力を自分たちの手で伝えたい」。そんな思いが原動力となった。商品の提示にとどまらず、生産者のものづくりにかける思いやこだわりを写真付きで紹介する。いまは学業や就職活動のかたわら営業に走っている。(社会部・広瀬和実)

 グループは昨年末、他県の地場産カタログギフトに触発された名古屋大や南山大などの学生らで結成。他大学の友人らに呼び掛け8人となった。事業資金として1口1万円で一般から出資を募ると、52万円が集まった。

 グループが作製した「名古屋市のギフト」は、はがき大のカード1枚に商品1点を掲載し、11枚セットになっている。カタログを贈られた人はお気に入りの商品を選び、同封の注文はがきを郵送すると、指定された住所に商品が届く仕組みだ。

 商品は学生たちが、市内でまちづくりに携わる人たちに聞くなどして40種類ほどピックアップ。生産者の意向などを確認しながら11点に絞り込んだ。天白区特産の八事五寸ニンジンを使ったドレッシングや、地酒などがそろう。

 カタログづくりで最もこだわったのは生産者の思いを伝えること。カードの表面は商品とともに生産者2人の全身写真を掲載し、裏面には商品開発のきっかけや苦労などを対談形式で紹介している。

 中川区で栽培されたトマトを使ったジュースのギフトでは、2人が脱サラでトマト作りを始めた時の思い出を記すとともに「鰹(かつお)や昆布を含んだ肥料を使用」などと特長をアピールする。中心メンバーの南山大4年田辺正義さん(22)は「生産者の等身大の姿を伝え、商品への愛着を感じてもらいたい」と意図を語る。

 作製の中核を担ったメンバー6人が3月に卒業し、新たに3人が加わった。現在の課題は取扱先の開拓だ。寺や神社には結婚式の引き出物、企業には得意先に配る手土産として使ってもらえるよう売り込む。市内のイベントでブースを出し、知名度アップも図る。

 「学生生活を送る間、自分たちを成長させてくれた名古屋の街に恩返しができれば」と田辺さん。“名古屋愛”を原動力に学生たちは挑戦を続けている。ホームページは「名古屋市のギフト」で検索。

(2015年5月21日 中日新聞夕刊13面より)
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