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2015.02.19
「新星」現象でリチウム合成 名大など発見
星の表面が爆発し急激に明るさを増す「新星」という現象で、元素のリチウムが大量合成されているのを発見したと、国立天文台や名古屋大などのチームが19日付の英科学誌ネイチャーに発表した。山形市のアマチュア天文家板垣公一さん(67)が見つけた新星を、すばる望遠鏡(米ハワイ島)で観測して突き止めた。
リチウムは、水素、ヘリウムに次ぎ3番目に軽い元素で、起源や生成過程はよく分かっていない。新星での合成が観測されたのは初めてで、国立天文台の田実晃人(たじつあきと)さんは「ビッグバンで宇宙が誕生した後に、元素が増えていく過程を詳しく調べるきっかけになる」と話している。
この新星は板垣さんが2013年8月14日にいるか座で見つけた。地球から1万4000光年離れている。
チームは約50日後に新星を観測して光を分析。爆発で吹き飛ばされたガスの中に、元素ベリリウムが大量に存在するのを見つけた。ベリリウムは半減期53日で崩壊してリチウムに変化することから、チームはリチウムが宇宙空間に飛び散っていると判断した。
新星は年間5〜10個ほど見つかる現象で、星が一生の最後に爆発する「超新星」とは異なる。板垣さんは、超新星を100個以上見つけたことでも知られている。
(2015年2月19日 中日新聞朝刊28面より)
リチウムは、水素、ヘリウムに次ぎ3番目に軽い元素で、起源や生成過程はよく分かっていない。新星での合成が観測されたのは初めてで、国立天文台の田実晃人(たじつあきと)さんは「ビッグバンで宇宙が誕生した後に、元素が増えていく過程を詳しく調べるきっかけになる」と話している。
この新星は板垣さんが2013年8月14日にいるか座で見つけた。地球から1万4000光年離れている。
チームは約50日後に新星を観測して光を分析。爆発で吹き飛ばされたガスの中に、元素ベリリウムが大量に存在するのを見つけた。ベリリウムは半減期53日で崩壊してリチウムに変化することから、チームはリチウムが宇宙空間に飛び散っていると判断した。
新星は年間5〜10個ほど見つかる現象で、星が一生の最後に爆発する「超新星」とは異なる。板垣さんは、超新星を100個以上見つけたことでも知られている。
(2015年2月19日 中日新聞朝刊28面より)