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2015.01.28
権現山に「ごん」いたよ 日福大・福田教授 キツネ生息を確認、定着に期待
童話「ごんぎつね」の舞台とされる阿久比町の権現山に、複数のキツネが生息していることが、日本福祉大健康科学部(半田市)・福田秀志教授(46)の研究室の調査で分かった。福田教授は「新美南吉の童話で親しまれているキツネが、今後も権現山に定着してほしい」と話している。(大久保謙司)
福田教授らは2010年から、知多半島のキツネの生息を研究。近づく生物を熱で感知して撮影するカメラを毎年、一定期間にわたり樹木に取り付け、画像から生息の状況を調べている。
14年は6月13日に権現山に4台のカメラを設置し、撮影を始めた。その2日後から続々とキツネの姿が捉えられた。7月22日には、親子とみられる3匹が同時に写っていた。
キツネの行動範囲が半径1キロほどまで狭まる夏場の「子育て期」に確認されたことから、撮影地点からほど近い場所で生息していることが明らかになった。
周辺の山林と離れている権現山一帯は半世紀ほど前からキツネの姿は確認されていなかった。11年9月に成獣のキツネの撮影に成功したが、その後は確認できなかった。
撮影は、キツネが生まれ育った地から遠くへ移動する「独立期」だったことから、福田教授らは知多半島にすむキツネが偶然、権現山を通り掛かったとみていた。
だが、昨年の撮影は子育て期。さらに今月10日までの設置期間にキツネの確認は計57回に上った。「権現山周辺で巣を作り、繁殖しているのはほぼ間違いない」と福田教授。確認回数の大幅な増加には「森林が多い半島南部で繁殖したキツネの一部が、新たな生息地を探して北上した可能性がある」と分析する。
キツネは、半田北部グラウンド(半田市石塚町)や正盛院(阿久比町草木)など、権現山以外に設置したカメラでも確認され、半島中部の広い範囲で生息していることも分かった。
昨年春から研究に携わる4年の渋谷芳樹さん(22)と奥村紘基さん(22)は「暮らしている環境のそばにキツネがいるということに驚いた」「地域の明るい話題になるのでは」と笑顔で話す。
福田教授は「姿が確認された場所に来年以降も定着するとは限らず、注視する必要がある」と話しつつも「キツネの姿が珍しいと思われないぐらい、身近な場所に定着していってほしい」と期待を込める。
(2015年1月28日 中日新聞朝刊知多版より)
福田教授らは2010年から、知多半島のキツネの生息を研究。近づく生物を熱で感知して撮影するカメラを毎年、一定期間にわたり樹木に取り付け、画像から生息の状況を調べている。
14年は6月13日に権現山に4台のカメラを設置し、撮影を始めた。その2日後から続々とキツネの姿が捉えられた。7月22日には、親子とみられる3匹が同時に写っていた。
キツネの行動範囲が半径1キロほどまで狭まる夏場の「子育て期」に確認されたことから、撮影地点からほど近い場所で生息していることが明らかになった。
周辺の山林と離れている権現山一帯は半世紀ほど前からキツネの姿は確認されていなかった。11年9月に成獣のキツネの撮影に成功したが、その後は確認できなかった。
撮影は、キツネが生まれ育った地から遠くへ移動する「独立期」だったことから、福田教授らは知多半島にすむキツネが偶然、権現山を通り掛かったとみていた。
だが、昨年の撮影は子育て期。さらに今月10日までの設置期間にキツネの確認は計57回に上った。「権現山周辺で巣を作り、繁殖しているのはほぼ間違いない」と福田教授。確認回数の大幅な増加には「森林が多い半島南部で繁殖したキツネの一部が、新たな生息地を探して北上した可能性がある」と分析する。
キツネは、半田北部グラウンド(半田市石塚町)や正盛院(阿久比町草木)など、権現山以外に設置したカメラでも確認され、半島中部の広い範囲で生息していることも分かった。
昨年春から研究に携わる4年の渋谷芳樹さん(22)と奥村紘基さん(22)は「暮らしている環境のそばにキツネがいるということに驚いた」「地域の明るい話題になるのでは」と笑顔で話す。
福田教授は「姿が確認された場所に来年以降も定着するとは限らず、注視する必要がある」と話しつつも「キツネの姿が珍しいと思われないぐらい、身近な場所に定着していってほしい」と期待を込める。
(2015年1月28日 中日新聞朝刊知多版より)