進学ナビ

HOME > 中日新聞掲載の大学記事 > 全て

中日新聞掲載の大学記事

2014.12.04

ボクシング 19歳田中 世界へ立つ 中京大1年 最速王者へ来春にも挑戦 

 国内最速となるプロ4戦目で東洋太平洋ミニマム級王者となった田中恒成(畑中)が、同じく最速となる5戦目での世界王者に向けて動き始めた。「日本一多くの人に応援してもらえるボクサー」を目標に、名古屋市北区の畑中ジムで腕を磨く19歳。指導する畑中清詞会長は「来年の3月か4月にぜひ名古屋でやりたい」と世界挑戦の機会をうかがっている。(海老名徳馬)

 岐阜県多治見市出身で中京大1年生。岐阜・中京高ではインターハイなど4冠を制覇。高校生だった昨年11月にプロデビューした。「試合が少ないなりに、いろいろなことを学べていると思う」。初戦から世界ランカーとの対戦を制すなど、次々に強敵を倒してきた。

 東洋太平洋王座を奪った10月の試合では、18戦無敗の原隆二(大橋)に10回TKO勝ち。試合後は「初めて筋肉痛で体がきしんで、血尿も出た」というほどの激しい打ち合いを制した勝利に、畑中会長は「中京の怪物くんが、日本で認められるようになるでしょう」。世界挑戦に向けて勢いのつく試合となった。

 スピードに秀で、打ち合いで引かないタフさもある。さらに圧倒的な速さで世界に迫るまで力をつけた理由を、畑中会長はこう説明する。「頭がいいんです。パンチ力をつけるにはどこを鍛えてどう練習するか、打つためにどうフェイントするとどうなるか、そういうシミュレーションが頭の中にあるんでしょう」

 11月初めにはタイに出かけ、世界ボクシング評議会(WBC)ミニマム級タイトル戦を観戦し「自分の試合は終わったばかりでも、気を引き締めないといけないと思った」。世界戦に向け、同月17日に本格的な練習を再開した。

 最短での世界王者に「強い相手とやりたいと思ってきた中で、今回チャンスがきただけ。流れの中です」と本人はあまりこだわりがないものの、畑中会長は「目指せる選手はそうはいない。現役の大学生が王者になればこれも日本初」。王座挑戦が実現すれば、多くの記録とともに注目を集めそうだ。

(2014年12月4日 中日新聞朝刊28面より)
  • X

戻る < 一覧に戻る > 次へ